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新聞論調

2016/10/23 社会

歴史的転換点 回復した比中関係

 中国の習近平国家主席は20日、マルコス独裁政権以来、政治的に最も独裁的なフィリピンの指導者、ドゥテルテ大統領を笑顔でもてなした。歴史が転換点を迎えていると考えても決して不思議ではない。

 南シナ海をめぐる比中の領有権争いで大統領は以前、ジェットスキーに乗り、国旗を立てると豪語していた。そんな大胆発言はいつの間にか、経済関係の強化を重視するという文脈に変わった。常設仲裁裁判所は7月、中国の領有権主張を認めない判断を下したが、大統領は歓迎の意思を示さなかった。

 その大統領が今、安全保障分野における比米関係に疑問を投げ掛けている。オバマ大統領に暴言を吐き、ミンダナオ地方から米兵の撤退を要求し、比米合同軍事演習の打ち切りを表明した。そしてついに「離別」を宣言した。

 比中関係を重視する大統領の姿勢は脚光を浴び、領有権問題における緊張関係を和らげ、焦点は経済と貿易関係へと移った。とはいえ大統領が自国の主張を撤回したわけではない。記者会見では「今は議題に挙げる時期ではない」と語った。中国の外務次官は大統領訪中について「比中の友好関係が正常な状態に戻ったという意味で大成功を収めた」とたたえた。

 政府間で、そしてビジネス分野で次々と協力文書に合意が交わされたことは、両国関係の新たなステージを象徴している。ただ、比の歴史における転換点になり得るのか。大統領の歴史解釈によると、米国は悪人で、中国は善人である。米国は比を半世紀にわたって占領したが、中国からは一度もなかった。

 スカーボロ礁を中国に占拠された比人漁師は現在の比中関係をまた違った視点で捉えるだろう。今回の訪中で引き出した多額の支援は別にしても、広範囲にわたる中国との新たな連携はまさしく歴史的だ。 (21日・インクワイアラー)

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