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ハロハロ

2012/11/12 社会

 先週の7日は季語でいう「初冬」。日本はそろそろ冬を迎えるが、その一季前の「初秋」を歳時記は「おのずから透明な自然の気息をおぼえる。明るさのなかの静けさ、静けさのなかのほのかな華やぎ。吹き過ぎる風に、高く浮かぶ片雲の姿に(中略)安らぎのおもいを感じさせる季節」と説明している。首都圏南郊でマキリン山がすそ野を広げる一帯は、台風オフェル(23号)が過ぎ去った10月26日ごろから青空が広がって、この季語がぴったりの陽気が続いている。

 「秋」を意味するタガログ語は「taglagas」(タグラガス)だが、この国の人たちには「秋」と呼ぶ季節がないようだ。そんな南国でいま、思ってもみなかった「日本の秋」に浸っている。マキリン山のふもと近くの高台。そこから、東西に大きく視界が広がる自然を眺めると、すぐ左手にマキリン山。右手の西側にタガイタイ、そして真南に当たる正面はるか彼方に西斜面の切り立ったマクロット山がかすんで見える。そんな山並みを背に、野焼きの白い煙がゆっくり南西方向へ流れる。視界の3分の2は大空で、背の高い小さな「さば雲」の固まりがいくつも浮かんでいる。

 目の前に広がる森林と牛が草をはむ野原やゴルフ場は、どれもが濃淡様々な緑だが、日差しの強い日中は別にして、朝日が上るころと夕暮れには、同じ緑が柔らかく感じられる。そして木立が芝生に落とす影が長く思える。どれもが印象でしかない中で、「秋色」そのものと言えるのは、紅葉した街路樹のバナバ。サルスベリの一種だが、柿(カキ)の四倍近く大きい葉っぱの色づきは柿そっくりだ。毎年眺めても飽きることはない南ルソンの「日本の秋」を再び話題にした。文中にある季語の出典は「日本大歳時記・秋」(講談社版)。(濱)

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