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嘆かわしい商業化

2012/11/5 社会

万聖節

 万聖節と万霊節には、フィリピン全土の墓地と記念公園は、墓参りをする家族連れでにぎわうだろう。この二つの宗教行事は故人をしのぶ日として、フィリピン文化に浸透してきた。

 しかし、ローマ・カトリック教会の行事から宗教的要素が脇に追いやられ、近年、商業化が進んでいる。嘆かわしいことだ。墓地の雰囲気は、まるでお祭りだ。酒を飲み、賭博をし、大音量の音楽がなり響く。ろうそくをともし、花を供えたら、墓参りはピクニックと化す。

 確かに、フィリピン人にとって、夏祭りと万聖節を区別するのは難しいだろう。学校や企業が休みとなり、大都市の多くの住民が帰郷する。表向きは、亡くなった親族に敬意を払うため、というのが理由だ。

 首都圏を侵食した万聖節の商業化は、ほとんどの地方で同様に見られる。唯一、イスラム教徒が多数を占める地方だけは、通常のたたずまいだろう。

 万聖節に便乗して売名行為をする、統一選候補者も出るだろう。

 比と無縁な祝日ハロウィーンで、子供たちが仮装し、駄菓子をもらいに家々を回るのも、ばかげている。

 西洋の影響によるこの仮装文化は、数十年前、海外駐在員が多く住む首都圏マカティ市の高級住宅街だけで行われていた。当時は風変わりな風習と見なされ、この国の文化には根づいていなかった。

 今では、中産階級の地域でも仮装し、お菓子を求めてドアをノックする子供を見かける。10月31日のハロウィーンパーティーでは、大人も仮装する。翌日の万聖節と何の関係があるのか。しかし、商業化の広がりにもかかわらず、万聖節は重要な休日である。墓所で開くピクニックやミニパーティーを通じて、故人の魂に不滅の家族愛を伝えているのだ。(10月29日・タイムズ)

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