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「知る権利」と教訓

2010/9/13 社会

乗っ取り事件報道

 香港からの外国人観光客8人が射殺されたバス乗っ取り事件で、比政府調査委員会は、国家警察幹部や閣僚、自治体関係者と並んで、テレビ局の記者らを聴聞会に招致した。

 携帯電話を通じた犯人取材や立ち入り禁止区域内での取材継続、犯人の実弟が警官隊に拘束される様を伝えた生中継などが、人質解放交渉と救出作戦を妨害し、人質8人死亡という最悪の結果を招いた要因の一つになったためという。

 ここで注意すべきは、聴聞会に引き出された民間人の証人は報道関係者だけで、ほかはすべて政府関係者という点だ。政府内で責任を取る人間が誰もいない中、記者らをスケープゴートにして責任を押し付けようとする意図すら感じる。

 聴聞会で特に問題になったのは、バス車内で犯人や人質に接触したテレビ局記者の取材活動だった。

 調査委員会のメンバーの1人は「大切なのはどちらか。バス車内の状況を伝えることか?それとも救命という人間としての責務か」と疑問を投げ掛けたが、危険な出来事を最前線で取材する記者の主任務は記事を書くこと。赤十字関係者のように、人命救助のため危険に身をさらしているのではない。

 一方、スクープ競争や視聴率競争に身を置く記者は以下のような問いを自身に投げ掛け、考えることが重要だ。今回の事件現場のように、極度に流動的かつ不安定な状況の子細は、果たして読者や視聴者にとって重要な情報だったか。現場からの洪水的報道が「知る権利」に応えることか。解放交渉に関する報道が交渉決裂の要因になり得ることを知りながら、なぜ当局と犯人の人質解放交渉が終わるのを待てなかったのか。犯人に近づくと、盾として利用されることが分からなかったのか。(10日・インクワイアラー、アマンド・ドロニラ氏)

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