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不完全な自由

2010/5/10 社会

報道の実態

 3日は国連が指定した「世界報道自由デー」。比では昨年11月、ミンダナオ地方マギンダナオ州で、ジャーナリスト27人を含む犠牲者計57人に上る前代未聞の大量虐殺事件が起き、国際社会を驚がくさせた。ひとつの事件でこれだけ多数のジャーナリストが殺害された例は他にはなく、比でまん延する暴力の実態が明らかになった。それだけでなく、この国では、透明性と良き政治の保証に向けた情報開示の自由に関する法律が今も制定されていない。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は3日、情報開示の自由が報道の自由と良き政治の確立に不可欠との立場をあらためて表明。その上で、世界人権宣言の第19条に触れ、表現の自由には情報の追求、受け取り、伝達の自由に加え、報道を通じた国境なき思想の主張が含まれると強調した。

 比では国会に提出されていた情報開示自由法案が、統一選キャンペーン開始に向けた休会入り直前、可決まであと一歩に迫った。アロヨ大統領も同法案に署名する姿勢を示していた。だが、国会は土壇場になって同法案の最終承認を見送ってしまった。振り出しに戻った形で、統一選後の次期国会が同法案をあらためて審議することになる。だが、議員の多くは同法案成立で、自身や家族の資産内容などの公開義務が生じるのを快く思っていない。

 世界的な非政府組織(NGO)の発表によると、比における報道の自由度は前年からさらに悪化、世界196カ国中97位に転落した。その中で同NGOは比に関し、「政治を含むさまざまな制約から報道の自由が限定的」と指摘した。この国は世界でも一級の自由な国と見られるが、報道の自由に限れば、完全実現への道はなお遠い。(3日・スター)

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