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新聞論調

2009/8/24 社会

アブ掃討を政治利用−大統領の「二枚舌」

 イスラム過激派、アブサヤフ掃討で多くの国軍兵士が犠牲となっている。アロヨ大統領は年に1、2回、殉死兵の葬儀に参列し、「アブサヤフ壊滅」を公約するが、情勢に変化はない。国軍とアブサヤフの戦闘には例外なくイスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)の関与が浮上する。少数犯罪組織のアブサヤフはMILFの支援で存命し、アブサヤフが犯罪行為で得た資金がMILFに流入しているとの疑惑もある。

 大統領は自身の政治生命を握っているラモス元大統領に従って、和平交渉を「えさ」に、国際社会から可能な限りの政治的利益を搾取する意向だ。

 バシラン州で14日に起きた戦闘の犠牲者には、MILF構成員10人が含まれていた。MILF幹部は、国軍がMILF支配地域に侵入したと非難。しかし、国軍にとって事前通知は自殺行為であり、アブサヤフも十分このカラクリを理解している。

 昨年8月、父祖伝来の土地問題に絡んだ覚書が破棄された直後、MILFは市民を惨殺した。現政権は「分派」の犯行とみなし、MILFへの批判は指令系統の乱れにとどめた。現政権が2つのグループを作ったことで、MILFはアブサヤフを保護する一方で「分派」を利用して批判をかわすことが可能となった。つまり、大統領が生み出した支離滅裂な状況で兵士の命が奪われているわけだ。

 エストラダ前政権はMILFに全面戦争を仕掛け、壊滅寸前まで追い込んだ。離散組が新たな犯罪集団を生み出した側面もある。だが、アロヨ大統領は地元テロ組織を国際社会に売り込み、米国などから政治、経済的援助を獲得してきた。政治利用されたミンダナオ情勢は悪化の一途をたどっている。(17日・トリビューン)

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