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ハロハロ

2008/9/29 社会

 「ため息」は「心配したり失望したり大いに感心したりする時、思わず出る大きな息」と「岩波国語辞典」にある。失望と感心——。対照的な二つのため息を今月中旬、期せずしてついた。失望のため息は「比のビジネス環境は世界で百四十位、東アジアで比を下回るのはラオスなど二カ国」との世銀調査を本紙で知ったときだ。四十九年前、初めて訪れたこの国はアジアで先頭を切っていた。一方、感心のため息は、この国の自然環境に触れてのことだ。

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 首都圏の南郊、マキリン山ふもとの丘から、ラグナ・バタンガス両州にまたがる草原や山並みが一望できる。夜が明けると、タガイタイ高原のすそ野を背に、朝もやが一面にたなびく。幻想的な水墨画の世界。そして、この時期、タガログ語で「タラヒブ」と呼ぶススキの穂並みが南北に伸びて、日本の秋を思わせる。その白い穂が夕映えの中でほのかに淡いピンク色に染まる様に思わず目を見張った。昼間、太陽の下で見るよりも鮮やかだ。

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 同じ日、夕焼け空の雲間に宵の明星を見つけた。明るく輝く一番星。都会生活で眺めることなどついぞなかった。翌十四日は旧暦の八月十五日。だが、背の高いうす雲がかかり、せっかくの「中秋の名月」は光の輪の中。暈(かさ)ができると天気は下り坂と言われるが、幸い十六夜(いざよい)の月は晴れた空に皓々(こうこう)と照っていた。ススキ、朝もや、宵の明星、そして名月。眺めるたびに感動のため息をついた。飾らない自然は美しい。(濱)

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