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ハロハロ

2006/10/30 社会

 マキリン山のふもとの丘に立つと、季節風の向きがかわったのか、朝日に染まる白い雲がゆっくり南西に流れていた。六十二年前の一九四四年十月二十五日早朝、編隊を組んだ零戦がこの空をよぎってレイテ沖に向かった。第一次神風特攻隊。特攻作戦は比島決戦の天王山、レイテ沖海戦で艦隊が大打撃を受け、絶望的な戦局の中で編み出された最後の戦いだった。

 第一次特攻隊はパンパンガ州マバラカット基地から関行男大尉率いる敷島隊、セブ島基地から大和隊、朝日隊、そしてダバオ基地から山桜隊が飛び立ち、若者たちが次々にエメラルドの海に散っていった。隊名は「敷島の大和心を人とはば朝日ににほふ山ざくら花」(本居宣長)にちなむという。この歌は本来、落花の美しさとは無縁だが、散りぎわのいさぎよさに桜の美を求める日本人の心にかなう命名かもしれない。

 「みごと散りましょ国のため」││。落花の美学は軍歌「同期の桜」の歌詞にもあり、戦時中、若者の戦意を鼓舞した。「桜の美学がいつの間にか散華の美学にすりかわりました。それは生命の軽視、人間の尊厳の忘却に通じます。その行き着くところが玉砕の思想、特攻という非人間的な戦術の立案、実行です」と歴史学者の直木孝次郎氏。話が飛躍するが、人命の軽視に通じる思想は日本人のDNAの中にひそむのではないのか。最近、日本で起きる親子や「普通の人」の間の殺人事件をみると、そんな仮説を抱く。 (濱)

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