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庶民の離反招く

2004/7/12 社会

政治化した教会

 カトリック教会の指導者が自らの道徳基準を正さない限り、教会が救済しようとしている貧困層との断絶は深まるばかりだろう。ロサレス・マニラ大司教は先に、「貧困層に苦しみをもたらしている張本人」と政治家を非難。貧困層支援基金へ最低二十五センタボの寄付を呼び掛けた。基金自体は素晴らしいが、言行が一致しないようでは庶民はついてこない。

 教会は汚職を撲滅して貧困層の生活改善要求に応えるよう呼び掛けてきた。しかし、庶民は政治を非難している当の教会が政治に関与し、政治家たちと何ら変わらないことを感知している。今回の選挙の不正問題では、教会は証拠を確かめようともせず、大規模な不正はなかったとする与党側政治家に同調。「選挙は概して平和で公正だった」との公式見解を発表した。

 「大規模な不正はなく、選挙の結果には影響を与えない」としているが、大規模でなければ不正は黙認されるとでも言うのか。教会はアロヨ大統領側に付くことで政治に関与し、従うべき道徳基準を都合良く忘れ去った。野党側の平和的な抗議集会が幾度となく政府の暴力により制圧されても沈黙した。参加者に表現の自由はなく、催涙ガスや放水でけ散らされて当然と言わんばかりだ。

 教会は貧困層にキリスト教的価値観を求めながら、自らは順守しない。汚職撲滅を呼び掛けながら、相次ぐ政府のスキャンダルには知らん顔。庶民の人権が政府の暴力で侵害されてもお構いなしだ。エストラダ前大統領支持派による暴動事件「エドサ3」の時からまるで変わっていない。教会が自らの教えを無視し続ける限り、教会は庶民の離反を招くであろう。(7日・トリビューン、ニネス・オリバレス氏)

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