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大統領は勝者なのか

2005/9/12 政治

弾劾発議めぐる攻防

 戦争では勝利がすべてだろうが、政治では必ずしもそうではない。

 下院法務委員会で、大統領弾劾発議の却下に賛成した議員たちはきっと、「発議却下」を正当化するための論理組み立てに頭を痛めたに違いない。勝つことは時に、負けることより難しいのだ。

 若いころ、私は議論で相手を負かしては悦に入っていたが、一方で議論に勝てば勝つほど敗者が自分から遠ざかることを悟らされた。

 負け組ではなく、勝ち組に対して辛い審判が下ることもある。その好例はエストラダ前大統領の弾劾裁判だった。前大統領の弁護団は議論で野党の検察団を負かしていた。しかし、前大統領は国民の支持を失うことで、辞任へと追い込まれた。

 この「勝者の負け」は、アロヨ大統領にとって重要な教訓になる。政権末期のマルコス元大統領と同様、アロヨ大統領は選挙に勝ち、その後の与・野党攻防でも勝利を収めようとしている。「勝利」には違いないが、果たして大統領は国民の心をつかんでいると言えるのか。一連の疑惑に接して国民の多くは「大統領はずるい」と思っているのではなかろうか。

 彼女の最大の欠点は保身と人気取りのため行動しようとする点だ。保身に有利な時は法を盾にし、不利と見ると法を無視する。このままでは、歴史はアロヨ氏を「策略に長じ、ペテン同然のやり方で地位にしがみついた大統領」として記憶することだろう。

 「良き大統領」として名をとどめるためにも、故ニノイ・アキノ元上院議員の言動を想起すべきだ。「民衆のために私を捨てる」という教訓に学び、勝利がすべてではないことを悟るべきだ。(6日・スタンダードトゥデー、テオドロ・バカニ氏)

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