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10月1日のまにら新聞から

新聞論調 米価高騰と社会不安リスク 投資や生産性向上が鍵

[ 701字|2023.10.1|経済 (economy)|新聞論調 ]

コメ価格高騰による社会不安を抑えるためにもマルコス政権はコメ農家への支援強化を

 日本の「米騒動」はコメ価格高騰に抗議した女性たちによって引き起こされた。シベリア出兵を見越した地主や商人らが投機を始め、価格が高騰した。当初は平和的な陳情活動だったが、米価高騰に憤慨した労働者も加わり、1000万人ともいわれる全国的な暴動に発展した。最終的に軍が鎮圧したものの、寺内政権の崩壊につながった。

 国連傘下の国際農業開発基金のアルバロ・ラリオ氏は「最近のインドの輸出禁止措置により煽られた米価が高騰し、アジアやアフリカで政情不安のリスクをもたらしている。特にアフリカで潜在的な紛争や社会不安の種となり、とても危険」と語った。

 マルコス大統領はこのほど、密輸や買い占めなど「農業経済妨害行為」に対してより厳しい罰則を課す法案を緊急で承認。違反者は無期懲役および農水産物の価値の3倍相当の罰金を含む処分を受ける。大統領は「ここ数ヶ月はとても厳しい状況だった。しかし、農家や小売業者のニーズに妥協することなく、最善策を模索し続ける」と意気込んだ。

 米価高騰と食糧不足は過去に他国で勃発した騒乱の原因となっている。米騒動とは別に、小麦価格の高騰はチュニジアやエジプト、リビアやイエメンにおける「アラブの春」の火付け役となった。

 私たちは国内でいかなる形の社会不安も、ましてや米騒動もみたくない。だからこそ、政府は「米価高騰が社会不安のリスクをもたらす」という国連の警告に耳を傾けるべきだ。米価高騰の究極的な解決策はコメ農家に投資し、生産性向上を支援すること。それにより雇用が創出され、貧困率も低下する。さらには長期的な食料安全保障の強靭化にもつながるのだ。(28日・ビジネスミラー)

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