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7月16日のまにら新聞から

政府はすべきことをせよ 洪水対策プログラム

[ 663字|2023.7.16|社会 (society)|新聞論調 ]

(論調)モンスーンの影響で首都圏の高速や一般道で広範な洪水が発生した

 台風ではないが、低気圧と南西モンスーンの影響から首都圏を含むルソン島一帯では「散発的または広範囲に及ぶ雨」が予測されていた。この雨は12日夜までに、首都圏の多くの地域で冠水を引き起こし、通勤者を立ち往生させた。

 13日も豪雨が続き、出勤者の多くは渋滞に巻き込まれた。南ルソン高速道の北側車線では同日午後、タギッグ市ビクタンでの排水溝の詰まりによって、モンテンルパ市アラバンの辺りで道路は事実上の駐車場と化した。さらに冠水はスカイウェイでも発生した。

 エスパーニャ通り沿いでは、冠水が引くまでに約2時間を要した。公共事業道路省は、皮肉にも「洪水ゼロ」プロジェクトの工事が進行中であることが原因にあるとして、不便をかけたことを謝罪。同プロジェクトの終了予定は年内となっており、雨季全体を通してさらなる洪水や冠水が予想されるとしている。同省のプロジェクト開始以前は、エスパーニャ通り沿いの冠水は30分程度で引いていたという。

 また、悪天候のため、マニラ空港では国内便複数がキャンセルされ、度重なる雷警報により同空港では到着荷物の積み降ろしにも遅れが出た。

 政府は表向き、洪水対策プログラムの資金調達のため、映画鑑賞に遊興税を課してきた。しかし、首都圏の住民は毎年、同様の洪水や冠水を目の当たりにしている。詰まった排水溝、調整不足の道路工事に「どうせ慣れているのだから我慢しよう」と。

 我慢する必要などない。問題への対処に力を注ぐべき人たちは謝罪の言葉を吐く以上に、もっとできることをすべきだ。(14日・スター)

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