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3月19日のまにら新聞から

安全性は利用者次第 米国のティックトック政策に見る

[ 674字|2023.3.19|社会 (society)|新聞論調 ]

米国政府は中国拠点のSNS企業バイトダンスに対し、人気の動画アプリ「ティックトック」の運営企業を売却もしくは、米国でのビジネスからの完全撤退を求める最後通告を行った

 今週初め、米国政府は中国拠点のSNS企業バイトダンスに対し、人気の動画アプリ「ティックトック」の運営企業を売却もしくは、米国でのビジネスからの完全撤退を求める最後通告を行った。米国の政府関係者の間では、バイトダンス社が中国政府と密接な関係を持ち、米国だけで1億人以上の利用者を持つ同アプリがスパイ活動の道具に使用され、重大な安全保障リスクをもたらすと広く考えられている。

 連邦政府による通告は、ティックトックの政府系機器へのインストール禁止、政府職員による使用禁止など一連の制約措置に続くもの。また、最近の報道では、多くの主要大学もティックトックの使用禁止を発表したり、使用禁止を検討したりしているという。

 米国政府には明確な政治的動機があり、私たちの目からは、多少ヒステリックにも映る。しかし他の何千ものアプリがどこの国のものであれ、安全保障の懸念に繋がることを注意喚起するものでもある。特にオンラインツールの貪欲な利用者であるフィリピン人にはその危険性が高い。

 一方で、スタンフォード大のウェブスター教授によれば、中国政府のティックトックを通じたデータ収集の明確な証拠はない。アルゴリズム使用のコンテンツ操作も中国以外の国では未確認としている。ただ、そのリスクは存在しており、「中国を批判し、特に中国に家族や繋がりを持つ人々には別の話かもしれない」と述べている。人々には一定のアクセスと選択の自由を残し、アプリやオンライン情報の安全使用に向けた利用者への啓蒙強化が最も求められるものではないだろうか。(18日・マニラタイムズ)

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