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1月15日のまにら新聞から

不完全雇用の抑制を 22年11月の失業率下落歓迎も

[ 928字|2023.1.15|経済 (economy)|新聞論調 ]

 比統計庁が発表した2022年11月の失業率は17年ぶりとなる4・2%の低水準となり、政府の高揚は妥当だ。前年の同6・5%から確実に改善しており、コロナ流行前の水準へ戻りつつある。都市封鎖後に消費者需要が回復し、ホリデーシーズンに向けて製造業や小売をはじめとする多くの業界で経済活動が活発化した結果だ。また15歳以上の人口に占める労働力を表す労働参加率も2005年4月以来最高の67・5%を記録。

 一方、より長時間の就労を望みながらそれより短い時間しか就業できていない不完全就労者の割合は14・4%(716万人)と前年同月比で2・4ポイント減少したものの、前月比では0・2ポイント増加した。同庁のデニス・マパ長官は不完全就労者の増加要因について「活気づく10~12月の期間で、ホリデーシーズンに向けた雇用が増えた一方で、その多くが非正規であった」と説明した。

 INGバンクのニコラス・マパ上級エコノミストは失業率と逆行している同数値は一部の仕事の質の低下や物価の高騰で多くの比人が新たな収入源を必要としていることを反映したと分析。ジョエル・ビリャヌエバ上院議員は雇用回復や創出を制度化および拡大を目指す上院法案第129号への支持を求めている。同法案は特に、市場の需要に基づき求職者の競争力やスキル、生産性を向上させることを盛り込む。

 例えば、オンラインを活用したテレワークなどの労働形態は女性をはじめとする多くの比人に仕事の機会を与えた。国家経済開発庁のバリサカン長官によると、昨年11月に労働参加した比人320万人のうち女性は250万人に上り、女性の労働参加率が前年同月比5・6ポイント増の57・8%に上った。長官は「デジタル化により、比人の雇用機会へのアクセスが容易になる」と前向き。23~28年の比開発計画では「全比人に有益となる経済の活性化」を想定し、「単に雇用を増やすだけでなく、より質の高い雇用を生み出すことが成長につながる」と付け加えた。

 大切なのは仕事の数ではなく、刻一刻と変化する不安定な世界で尊厳を持って生き抜くため、国民が生活必需品を賄うために十分な収入を得られる仕事の質を確保することだ。(12日・インクワイアラー)

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