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10月30日のまにら新聞から

やがて罪は問われる 専制政治への抵抗

[ 675字|2022.10.30|社会 (society)|新聞論調 ]

 私たちはロシアの侵略に抵抗するウクライナの人々の勇敢さに目を奪われている。また、残虐な専制政治に抵抗するイランの女性たちの雄姿に畏敬の念を抱かなければならない。

 ヒジャブの着用が不適切だとして逮捕されたクルド系イラン人のマーサ・アミニさんが9月16日、イランの道徳警察の管理下で死亡したことを受け、同国の大半の大学や多くの都市では、大規模なデモが続いている。

 現政権はデモに参加した医師に実弾を、女性は拘束し拷問を、車のクラクションで抗議した運転手は射殺するなど、「断固とした対応」を取ってきた。人権監視団は過去の数週間で平和的な抗議を行っていた約400人以上が殺されたと推定。中には街頭でのデモを理由に道徳警察に捕らえられた勇敢な10代の若者、ニカ・シャフカラミさんも含まれている。

 もう何年も前、私はホセ・デベネシア下院議長のアドバイザーとして、当時イランの強硬派アフマディネジャド大統領との私的な謁見に同席していた。その際、ささやかな抵抗の気持ちから、儀礼を破って、大統領が配った小さな冊子に大統領からのサインを請うた。

 モスクワとテヘランが人類に対する最も恐ろしい犯罪を犯していることは偶然ではない。また北京や平壌、ミャンマーもその枢軸に加わっている。世界的に孤立し拒絶されているいずれもの専制君主は互いを必要とし、深刻な抑圧によって生き残りを図っている。やがて今日の罪の責任を取らされることになるだろう。

 東南アジア諸国連合におけるミャンマーの蛮行への沈黙も批判に値する。(政治学者アレックス・マグノ、29日・スター)

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