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9月4日のまにら新聞から

技術や研究開発の恩恵を 零細中小企業へ支援

[ 880字|2022.9.4|経済 (economy)|新聞論調 ]

比統計庁によると、コロナ禍が始まった2020年、比国内にある数百万の企業のうち零細・中小企業(MSME)の割合は99・51%に上り、大企業は0・49%だった

 比統計庁によると、コロナ禍が始まった2020年、比国内にある数百万の企業のうち零細・中小企業(MSME)の割合は99・51%に上り、大企業は0・49%だった。

 同データをみて、どの政権もMSMEの支援を掲げてきたが、進展はみられない。零細向け金融機関も増えた一方、多くの起業家は融資条件を満たすのが難しすぎると不満の声を漏らしている。起業家はたとえ5~6%もしくは20%という高金利であったとしても現金融資を好む傾向がある。

 MSMEには販促や生産性を高める技術の支援も必要だ。デジタル時代、全世代の比人がスマホを所有しているが、零細起業家の多くは電子商取引に無頓着だ。また輸出市場や特殊な技術へのアクセスを探し出すための支援も必要。

 農業分野では、仲介業者を省き、産地から消費者へ直接商品を届ける支援が繰り返し提案され、一考の価値はありそうだ。

 競争力を高める点で、研究開発の恩恵にも預かりたい。しかし、R&Dにはたくさんの資源が必要。政府は科学研究に投資し、その結果を民間企業に無償もしくは良心的価格で提供することもある。ソリドゥム科学技術相はさまざまな社会経済分野、特に新興企業のための研究開発へ支援を強化していきたいと述べている。

 地方自治体はMSMEの起業家が製品やサービスを提供できるスペースを低価格で提供すべきだ。賃料は事業における大きな支出であり、成長途中の起業家にとって重い負担になる。ある人は、一生かけて貯金した資金を投入し賃貸商業施設の開発に投資したが、不必要な建築条件やたった3年後の商業施設全体の再編によって、補償も無く追い出されてしまうことがあったという。大手企業には痛くも痒くもないが、MSMEには死活問題だ。

 コロナ禍によって多くの事業が閉業に追い込まれ、いくつかの事業は立ち直れずにいる。燃料高騰やインフレ、供給不足など、MSMEにはたくさんの課題が立ちはだかる。マルコス政権がすでに取り組んでいるように、課題の一部でも解決する手助けをできれば、進展といえるのではないだろうか。(8月30日・スター)

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