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11月7日のまにら新聞から

本質は「死者とのパーティ」 「ウンダス」の本流を辿る

「ウンダス」と呼ばれ、われわれが行っている「万聖節」は、カトリックが生み出したものでも世界中のカトリック教徒が行っているものでもない

[ 672字|2021.11.7|社会|新聞論調 ]

 「ウンダス」と呼ばれ、われわれが行っている「万聖節」は、カトリックが生み出したものでも世界中のカトリック教徒が行っているものでもない。メキシコの「死者の日」がフィリピンに伝わったものとされ、比の他に、メキシコ、ブラジル、そして南米の複数の国だけが私たちの知る方法で年に一度、墓地へ行き、「諸聖人の日」を祝っている。

 大元にはヒスパニック以前の古代アステカ文明の主要な2つの祭日である「小さな死者の祭り」と「大人の死者の祭り」がある。これらの日に、死者は家族を超え地域社会へと戻ってくる。そこで生前楽しんでいた食事や飲み物を共にすると考えられていた。現在メキシコなどでは墓地から街の中心部へ死者の祭りは進行していく。

 これは、亡くなった魂が天国や煉獄、地獄に向かい、後の復活の日に肉体が戻るとするカトリックの信仰とは別ものだ。スペイン人が中米を征服した時、先住民のこれらの祭りの重要さを知り、禁止するのではなく、修道士たちがこれらを取り入れて「万聖節」「万霊節」という特別な日に変えた。

 私たちがスペインから来たと考えている文化の多くは、実はヌエバ・エスパーニャから来たものであり、アステカの習慣がカトリック儀式と融合したものだったのだ。

 お墓に食べ物や飲み物が置かれ、金持ちの霊廟にビュッフェが並び、徹夜で酒を飲み、麻雀をし、カラオケを楽しむ行為は、死者を追悼する意味で、決して異常なことではない。こうした生者と死者によるパーティーこそが「死者の日」の本質なのだ。(1日・マニラタイムズ、リゴベルト・ティグラオ、記者・外交官)

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