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10月31日のまにら新聞から

市民文化は公園にあり 失われる公共スペース

[ 733字|2021.10.31|社会|新聞論調 ]

 「首都圏には公園が必要だ」と主張するのは私が最初でも最後でもない。ボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)やフィリピン文化センターなど、緑や自然を感じられる広場は、文字通り混雑しているからだ。

 どうもこの国では都市の発展をコンドミニアムの高さやモールの大きさで測るらしい。それらが次々と無秩序に増え、美しい景観が損なわれている場所もある。建設ラッシュを抑制する条例や都市計画の調整もなく、土地を購入したらひたすら利益をあげることばかり考えている。

 一部の専門家は、このクレイジーな開発が経済を潤していると繰り返し主張している。その経済は誰のためか? 比人の生活水準は本質的に向上しているのか? 公有地が民間の開発業者に売却され続け、首都圏で緑のある場所は激減し、数少ない公共スペースが奪われている。パシッグ市は「グリーンシティー」だと宣伝しているが、その真偽はグーグルマップの航空写真を見れば一目瞭然だ。

 公園の緑は気温を下げ、空気を浄化し、景観を良くし、都市をより魅力的にするとともに周辺の資産価値を高め、本質的な利益をもたらす。また、公園で生まれる人々の交流は地域コミュニティーの一員としての意識を高め、社会的なつながりを生む重要な場所だ。優れたデザインの大きい公園は、スポーツ大会やコンサートの開催に最適だ。つまり、公園があるということは市民文化があるということなのだ。

 もしニューヨークを比人政治家が統治すれば、10年でセントラルパークはコンドミニアムやモールに姿を変え消えるだろう。市民のニーズを満たすため、今こそ首都圏に緑の多い公園をつくる時だ。(26日・マニラタイムズ、ホルヘ・マホロ、サントトマス大スペイン文学・人文学教授)

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