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12月18日のまにら新聞から

世界で注目の比人看護師2人 コロナとの戦い

[ 757字|2020.12.18|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピン人女性看護師メイ・パーソンズさんが今月8日、国際ニュースで取り上げられた。英国の国営医療制度「国民保健サービス」(NHS)で働く2万人近い比人看護師の1人だ。マーガレット・キーナン(90)さんに新型コロナウイルスのワクチンを注射したのだ。過去1年、大きな被害を与えてきた世界的流行に終止符を打つと期待されているワクチン接種事業の始まりだった。

 その翌日、別の比人看護師フロー・ロズさんが国際ニュースで取り上げられた。米国カリフォルニア州で人気テレビホスト、エレン・デジェネレスさんがロズさんに新車をプレゼント、自宅に届けたのだ。ロズさんはセブ出身。3月、勤務中にコロナに感染したが、回復後すぐに職場に復帰していた。

 ロズさんは答えている。「コロナ禍で多くの家族同様、経済的には苦しい。これまでは夫と1台の車を共用し、同僚に乗せてもらったり、歩いたり、ウーバーを利用したりしていました。いま人々の世話ができることを光栄に思っています」。デジェネレスさんは、ロズさんの仕事ぶりは本当に素晴らしいと本人に感謝を伝えた。

 ところがその翌日、デジェネレスさんがコロナに感染していることがわかった。彼女はインスタグラムで「今のところ元気です。クリスマス休暇後、また会いましょう。皆さん、どうぞ健康で安全にお過ごしください」と伝えている。

 比人看護師は、欧州、中東、米国はじめ世界中の医療施設で働いている。コロナ患者を世話するなか、自分たちも高い感染率と死亡率に直面している。ワクチン接種が始まったとはいえ、流行はすぐに終わりそうにない。

 感染者と死者の増加に世界は注目しがちだが、私たちは、英米のニュースを通して比人看護師ら医療従事者の働きが認められたことをうれしく思う。(14日、ブレティン)

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