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10月15日のまにら新聞から

新聞論調

[ 702字|2012.10.15|政治 (politics)|新聞論調 ]

「枠組み」合意に疑問

 政府が反政府武装勢力、モロ・イスラム解放戦線(MILF)と合意した和平「枠組み」によって、ミンダナオ地方の恒久的和平が実現されるという話には疑問を感じる。

 第一に、MILFがミンダナオ地方のイスラム教徒を代表しているとは信じがたい。1996年にラモス政権がモロ民族解放戦線(MNLF)と結んだ和平協定には、先住民族やキリスト教徒が含まれていた事実も、思い出してほしい。

 MNLF創設者のミスアリ初代議長は、MILFとの枠組み合意を受け、武装闘争に踏み切る意向を表明している。それには、正当な理由がある。 なぜなら、MILFとの枠組み合意の署名により、MNLFと政府がまとめた和平に関する三つの合意が無用になるからである。それは、マルコス政権とのトリポリ協定(76年)、コラソン・アキノ政権とのサウジアラビア・ジッダにおける和平予備会談合意(87年)、ラモス政権との和平協定(96年)の三つだ。

 イスラム教国のマレーシアを和平交渉の仲介にしたのは、アキノ政権の過ちだ。ミスアリ議長の言うように、これは外国政府の内政干渉にほかならない。

 大統領府がミスアリ議長側の言い分を無視すれば、包括的和平の実現は夢のままだろう。現在のMILF幹部より、ミスアリ議長の方を支持するイスラム教徒は多い。

 MILFはすでに、一枚岩ではない。カト元部隊長が率いるバンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)など分派が複数存在する。

 つまり、大統領府の問題は、和平「枠組み」の憲法問題だけではない。いずれにせよ、枠組みに盛り込まれた「バンサモロ」は違憲だ。(11日・スタンダードトゥデー、エミル・フラド氏)

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