マニラ市イントラムロスにある選挙管理委員会の本部事務所で3日、日本政府の無償資金協力「バンサモロにおける有権者の意識向上及び選挙プロセスのデジタル化促進計画」の下で開発された選挙資金報告電子提出システムを披露する式典が行われた。同式典には遠藤和也駐比日本国大使やジョージ・ガルシア選挙管理委員会委員長、国連開発計画(UNDP)フィリピン事務所のエドウィン・カリー副代表らが参加した。
遠藤大使は式典のスピーチで、日本のミンダナオ和平プロセスに対する支援の進展や、10月に実施予定のパンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARММ)での初の議会選挙を踏まえ、「我々が一体的に進めるこの協力が、バンサモロの人々にふさわしい平和で前進的な将来の先駆けとなるよう、良いインパクトをもたらすことを心から願う」と強調した。
日本政府の2億3400万円の無償資金によりUNDPが実施中の同プロジェクトでは、BARММで今年10月13日に行われる初の議会選挙の透明性を確保しつつ、中央選管の選挙管理業務を効率化するため、選挙後に候補者らが選挙資金報告書を電子媒体で提出するためのシステムを開発した。
同プロジェクトは今年3月には、選挙プロセスのデジタル化のため、衛星通信機材やサーバーを中央選管に提供している。これらの機材に加えて、今回導入される選挙資金報告電子提出システムの構築により、バンサモロ地域で予定されている議会選挙及び将来の選挙において、有権者に対する正確かつ、より効果的で透明な情報提供が可能になると期待されている。(澤田公伸)