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12月9日のまにら新聞から

容疑者1人を逮捕 ミンダナオ大爆弾テロ

[ 835字|2023.12.9|社会 (society) ]

比国軍がミンダナオ大体育館爆弾テロ容疑者の1人を逮捕したと発表。容疑者を写した監視カメラ映像も公開

監視カメラに写った容疑者の1人=比国軍提供

 フィリピン国軍は8日、南ラナオ州マラウィ市にあるミンダナオ大体育館で3日に発生した爆弾テロ事件について、容疑者の1人を逮捕したと発表した。国家警察バンサモロイスラム自治地域(BARMM)本部と国軍第103旅団の合同タスクフォースによって逮捕されたのは、「ジャフ」「クロト」の別名で知られていたジャファル・ガモ・スルタン容疑者。同体育館でミサ中に起こった爆発では4人が死亡、約50人が負傷していた。

 国軍のトリニダット報道官によると、タスクフォースは6日、同市ドゥライプロパーに潜んでいた容疑者を逮捕。容疑者には、事件当日に体育館に即席爆発装置とみられるものを仕掛けていたとの目撃証言があったという。国軍・国家警察は、イスラム国(IS)傘下にあるとみられるフィリピンのイスラム過激派ダウラ・イスラミヤと同容疑者との関係についても捜査を進めている。

 8日に国軍が公開した監視カメラ映像によると、爆弾テロ事件当日、下見役とみられる黒いジャケットに黒のマスクを着けた男が、3日午前6時9分に体育館に入り、6時13分に出た。その後、黒いかばんを持った別の男が7時3分に覆面の男を引き連れ体育館に向かった。その後、バックを持った男が7時11分にバックを持たずに覆面男と共に体育館を出て、起爆装置とみられるものを操作。するとその直後(7時12分12秒)に爆発が発生した。

 タスクフォースは容疑者が所持していたオートバイ2台を犯行に使われた可能性があるとして押収。また国家警察は、別の2人を重要参考人として特定している。

 ダウラ・イスラミヤは2017年に発生した5カ月間にわたるマラウィ市占拠事件にもイスラム過激派アブサヤフなどと共に参加している。また、国軍は先月30日にイスラム系テロ組織に対する戦闘機を投入した空爆攻撃を実施し、同作戦でイスラム過激派ダウラ・イスラミヤのアミール(司令官)を含む11人を殺害しており、今回のテロはその報復との見方もある。(竹下友章)

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