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12月4日のまにら新聞から

法の支配超えた正義目指せ 法律扶助の重要性説く最高裁判事

[ 656字|2022.12.4|社会 (society)|新聞論調 ]

マービック・レオネン最高裁判事は、ビサヤ地域の西ネグロス州バコロド市で11月下旬に開催された全国リーガルエイド・サミットの基調講演の中で、法曹界における「改革」を唱えた

 マービック・レオネン最高裁判事は、ビサヤ地域の西ネグロス州バコロド市で11月下旬に開催された全国リーガルエイド・サミットの基調講演の中で、法曹界における「改革」を唱えた。法科大学院で、実務と弁護スキルのほか、社会という文脈の中で法律を読み解けるようになるための批判的思考を培うカリキュラムを加えることを提唱したのだ。同判事は比の司法のあり方を振り返りながら、「法曹界は適切な方法でより多くの事件や問題を解決するため、疎外・抑圧されている人々とコミュニケーションをとり、彼らに力を与えるスキルを培う必要がある」とし、法曹界全体が団結できれば「法の支配を超えた正義」を目指すことは可能だと結論付けた。

 レネオン判事の発言を受け、アレクサンダー・ゲスムンド最高裁長官は全面的に賛同の意を示した。「法律家の仕事は、人々の無知を利用するような嘘ではなく、真実の上にのみ成り立つ。決して政府高官や法曹界に身を置く者に良からぬ特権を与えるものではなく、少なくとも法の下の平等と社会の秩序を守るため、被抑圧者らに力を貸せる存在であるべきだ」と、法律扶助の必要性を説いた。

 この改革を正式なプログラムとして着手し始めたゲスムンド長官だが、同長官は2026年11月6日に、レオネン判事も2032年12月29日にそれぞれ70歳を迎えると同時に退官予定だ。それまでに、様々な面で社会的に弱い立場にある人々の法的なアクセスを充実させる仕組みが、法曹界全体の納得の元で構築されることを願っている。(3日・スター、サトル・オカンポ)

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