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9月10日のまにら新聞から

マスク任意化に懸念表明 内科医協会「追加接種に逆風」

[ 935字|2022.9.10|社会 (society) ]

比内科医協会がワクチン追加接種に悪影響を与えるとしてマスク任意化に懸念を表明

 新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)がこのほど屋外におけるマスク着用義務の撤廃を盛り込んだ勧告を出し、マルコス大統領も口頭で承認したことを受け、フィリピン内科医協会(PCP)は8日、マカティ市のホテルで開かれた記者会見で、「(マスク着用の任意化が)ワクチンの追加接種キャンペーンへの逆風となる」として懸念を表明した。9日の英字紙インクワイアラーが報じた。

 同協会のマリカール・リムピン前会長は「マスク着用義務を緩和してしまえば、基本的に多くの国民に対して、もうコロナは恐れる必要がなく、ワクチンを接種する必要もないという印象を与えてしまう」とした上で「政府の追加接種キャンペーンはどうなるのか。ワクチン接種プログラム全体を弱めてしまうだろう」と影響の大きさを指摘した。また同協会メンバーで感染症専門家のソランテ医師も「コロナ感染が減少しているからといって防疫措置を『いじくり回す』のではなく、追加接種の普及にまず注力すべきだ」と勧告している。

 一方、経済界はマスク着用任意化に賛同する声を一斉に上げている。フィリピン商工会議所のジョージ・バルセロン会頭は取材に対し、「屋外で頻繁に肉体作業をする労働者たちにとってはマスク着用はかなり大変だった。これでより多くの労働者たちにフレキシブルな働き方が提供されるだろう」と歓迎の意を表明している。

 また、全国の地方自治体首長らも概ねマスク着用任意化を歓迎する動きを見せている。イロイロ州のアーサー・デフェンサー州知事は7日、IATFの勧告に基づき、先に出されていたセブ市の市長令なども踏襲して、屋外のマスク着用を任意とすることを盛り込んだ知事令に署名した。イロイロ州内においてコロナ感染の抑制とワクチン接種率の向上が見られるとし、全国より一足先に州内のマスク着用義務を撤廃した。しかし、南ダバオ州のイボンヌ・カガス知事は「政府がマスク任意化を決めたのなら従うが、われわれはワクチン接種キャンペーンを継続する」と述べるなど、感染拡大に注意を払う自治体もある。

 屋外におけるマスク着用の任意化については、マルコス大統領がIATFの勧告に従って大統領令として正式に発令するかどうかが注目されている。(澤田公伸)

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