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3月21日のまにら新聞から

幸福度が1ランク上昇60位に コロナ禍で博愛行為に広がりも

[ 1050字|2022.3.21|社会 (society) ]

国連の世界幸福度ランキング2022年度版で、比は146カ国中60位とランクを1つ上げた

 国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)はこのほど、世界幸福度ランキング2022年度版を発表、フィリピンは146カ国中60位だった。昨年の61位から順位を1つ上げたが、新型コロナによるパンデミック以前のデータを対象としていた20年度版の52位には及ばなかった。

 同報告書によると、比の回答者は2019年~21年までの平均生活評価(指数)を5.904とし、前年の同5.880(18年~20年対象)を若干上回ったものの、前々回調査(17~19年対象)の6.006を下回った。

 1位はフィンランド(同7.821)で、5年連続トップを維持した。2位はデンマーク(7.636)、3位はアイスランド(7.557)、4位はスイス(7.512)、5位はオランダ(7.415)と欧州が占めた。主要国では米国(6.977)が16位、日本(6.039)54位、韓国(5.935)59位、中国(5.585)72位、ロシア(5.459)80位だった。最下位はアフガニスタン(2.404)。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の順位では、シンガポール(6.480)が27位でトップとなり、比が続いた。次いでタイ61位、マレーシア70位、ベトナム77位、インドネシア87位、ラオス95位、カンボジア114位、ミャンマー126位と続いた。ブルネイは対象国から外れた。

 報告書は全体的なまとめとして「ポジティブな感情がネガティブな感情の2倍に及んでいるが、この差は過去10年間で縮小傾向にある。ほとんどの国で『楽しさ』と『笑い』が減少となり、『心配』と『悲しみ』が増加した」と評価した。コロナ禍での失業や病気が幸福度の主な引き下げ要因だとの見方を示した。

 その上で「コロナ禍で、男女や低所得者と高所得者の間に以前から生じていた差異を顕在化させたが、拡大されたわけではない」とも説明している。また明るい傾向として、コロナ禍で親切な「博愛」行為がより多く見られるようになったとし、「見知らぬ人を助けることやボランティア活動、寄付行為の世界中での大幅な増加、そのいずれもがコロナ以前を25%上回る水準に達した」とも伝えた。

 毎年発行される「世界幸福度報告書」は、ギャラップ社による世界世論調査の直近3年間のデータを使用し、回答者に現在の生活全体を0~10点(最高)で評価してもらうほか、国内総生産や平均寿命、寛容さや社会的支援、自由や腐敗の6つの変数を使って生活評価を行っている。(岡田薫)

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