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2月9日のまにら新聞から

機密費3億ペソを問う 次官の告発

[ 664字|2020.2.9|社会 (society)|新聞論調 ]

 情報通信技術省次官を3日に辞めたエリセオ・リオ氏(75)は、省の権限を超えた監視活動のために機密費数億ペソが使われたと主張している。氏は国軍の元准将だが、電子通信技術の専門家だ。同省の大臣代行も務めていたが、ホナサン上院議員が任期を終え、大統領の任命で大臣に就いた19年7月に次官に降格された。

 機密費問題は今週初め本紙インタビューで明らかになった。監査を必要としない機密費について、リオ氏は「諜報や監視活動は省の権限ではなく、使うことはできないというのが私の元々の立場だった」と述べた。

 会計監査院の1月20日付の監査文書によると、同省は昨年11月22日、12月2日と17日に1億ペソずつ計3億ペソを「サイバーセキュリティ活動に関連する機密費」として、ホナサン大臣の名で前払いを受けた。しかし、支払い伝票の点検時に経理処理上の「瑕疵(かし)」が見つかったとしている。

 同省は声明で、比が直面しているサイバー空間の脅威下の「システムとネットワークの合法的な監視」の支出で、会計監査院の勧告は単に「手続き上の問題」と釈明した。大臣自身は現時点で問題に答えていない。

 上院は調査の準備をしており、他の政府機関の機密費も対象になる可能性がある。納税者の金の問題でもある。問題が矮小(わいしょう)化されないように、国民は細心の注意を払いたい。氏が次官を辞めた理由が何であれ、徹底的に調査され、結果は国民に公表されるべきだ。説明責任がしっかりと果たされなければ、この国は本当に底が抜けてしまう。(7日・インクワイアラー)

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