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7月10日のまにら新聞から

「南シナ海安定への決意の表れ」 RAA署名を軍、議員が歓迎

[ 1104字|2024.7.10|政治 (politics) ]

比日RAA署名を受け国軍、条約承認権を持つ上院などから歓迎の声

 訪問部隊の法的地位を定める部隊間協力円滑化協定(RAA)が8日にフィリピンと日本両政府によって署名されたことを受け、比国軍、議会から歓迎の声が上がっている。

 比国軍の南シナ海問題担当報道官を務めるロイビンセント・トリニダッド海軍少将は9日の会見で、「RAAへの政府間の署名は議会での長いプロセスの最初のステップだが、最終的には、比国軍と自衛隊のすべての協力のより良い統合をもたらし、国軍に『近代的な軍隊』と共に学び、訓練する機会を与える」と歓迎。「RAAは南シナ海におけるルールに基づいた国際秩序維持にかける両国の強い意志の表れだ」と強調した。

 フランセル・パディリャ報道官(大佐)はRAA締結後に実現可能となる軍事演習について、「締結後に策定される施行細則発出後に具体的な計画が出るだろう」とコメント。一方、ある国防省職員は匿名を条件に、まにら新聞に対して、比最大の比米総合軍事演習「バリカタン」への自衛隊の正式参加が想定されていることを明らかにした。

 

 ▽上院で優先議題に

 RAAは国際条約扱いであり、発効には両国の議会承認が必要。そして、比での条約承認権は上院が握る。上院ナンバー2の仮議長で、上院国防・安保委員長を兼任するジンゴイ・エストラダ氏は、署名がなされた8日に声明を発表。「ルールに基づく国際秩序、特に地域の脅威への対処において、RAAは比日相互のコミットメントを示す」と強調し、「今月始まる通常審議でRAAの承認は優先議題の一つとなる」と明言した。

 5月の議長解任後、解任動議に加わらなかった議員と7議席の独立ブロックを形成し、全24議席の上院で依然強い影響力を保持するズビリ議員も同日に声明を発表。「日本は既に比にとって『かけがえのない同盟国』となっており、日本の協力は比沿岸警備隊だけでなく、比海軍にとっても極めて重要だ」と強調し、議長時代から比日訪問部隊地位協定(VFA)主唱者として推進してきたRAAの締結に、強い期待を寄せた。

 またナンシー・ビナイ上院議員も9日に声明を発表。「ズビリ前議長と越川和彦前大使は2022年から比日RAAを推進してきた。比日RAA署名は、国際法に基づいた紛争の平和的解決と比領土主権のための努力の成果だ」と強調。全面的な議会承認への支援を表明した。

 マルコス大統領といとこで、政治的にも大統領と極めて関係の近いロムアルデス下院議長は9日に出した声明で、「RAAの署名は、比日関係の重要な瞬間を意味する。地域の地政学的課題が変化する中での強化された防衛協力の新時代の到来を告げるものだ」と歓迎の意を表明した。(竹下友章)

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