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9月17日のまにら新聞から

「米軍機は緊張激化させる」 「状況悪化させているのは中国」 議会と政府で衝突

[ 793字|2023.9.17|政治 (politics) ]

パディリャ議員の「米軍機は緊張激化させる」の追及に国防相「激化させているは中国の拡張主義」

質問を行うロビン・パディリャ上院議員=12日、上院が公開

 ロビン・パディリャ上院議員が12日、上院公聴会で、南シナ海南沙諸島アユギン礁に比海軍が詰め所として座礁させている旧式揚陸艦への補給任務の際に米軍機が上空で哨戒していたことに言及し、「(これに対抗し)中国軍が航空機を派遣すれば状況はエスカレートする可能性がある」などとして政府を追及した。またドゥテルテ前政権期を念頭に「米国に依存することはできない。われわれは6年間単独で国を守ることができている」と主張した。同議員の追及に対し、マドリアガ国防次官は米国側とはあらかじめ調整してたことを認めた。

 これに対し、テオドロ国防相は14日のテレビインタビューで「パディリャ議員の見解には同意できない」と断言。比は補給任務に米国の護送を依頼しておらず、米国に依存しているとは思わない」とし「緊張を高めているのは中国の『拡張主義』であり、(中国が新たに公開した拡張的な領土主張を行う)十段線地図がその証拠。比だけでなく、ブルネイやインド、ネパールなど複数の隣国が反対の声を挙げている」と指摘した。

 さらに、8日に比沿岸警備隊と比海軍が合同で補給任務を実施した際に上空を飛んでいた米国機が米海軍哨戒機「P8ポセイドン」だったことを認めた上で、「米国が実施したのは警戒監視活動であり、それは比米相互防衛条約の範囲内だ。比公船への武力攻撃が条約発動の契機になることを忘れないでほしい。米軍は今後も警戒監視活動を行うだろう」と説明。「排他的経済水域(EEZ)内では航行と上空飛行の自由が認められており、米国の他にも複数国の航空機が状況を監視していた」と述べた。

 パディリア議員が属する与党PDPラバンは上院4議席、下院38議席を擁する連合与党の一角。同党は「反米ナショナリズム」的思想の色濃いドゥテルテ前大統領が名誉総裁を務め、パティリャ議員は前大統領の熱心な支持者として知られる。(竹下友章)

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