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5月12日のまにら新聞から

マルコス陣営が「勝利宣言」 サラ氏が教育相就任を受諾か

[ 1048字|2022.5.12|政治 (politics) ]

報道担当が勝利宣言。人事にも着手し、次期政権ではサラ氏を教育相に任命へ

 9日投開票の大統領選非公式集計で次点のロブレド副大統領に2倍以上の差をつけてリードしているボンボン・マルコス元上院議員の報道担当を務めるビック・ロドリゲス氏は11日、「マルコス氏が大統領選で勝利した」と勝利宣言を行った。マルコス氏自身も同日午後7時にマンダルーヨン市の選挙対策本部で会見を行い、「(副大統領候補としてペアを組み当選確実の)サラ・ドゥテルテ氏を教育相に任命することで同意している」と閣僚人事に着手していることも明らかにした。

 ロドリゲス報道官は「開票率98%で(次点候補との間に)1600万票を超える論争の余地のないリードを固めた。フィリピン人たちは国を統一するため民主的な選挙権を行使した。ボンボン・マルコス氏が第17代フィリピン大統領に就任する」と宣言した。11日午後7時時点の非公式集計(開票率98・32%)でマルコス氏の得票数は約3109万票で、次点のロブレド氏の約1481万票に対して1628万票のリードを確保している。

 また、ボンボン・マルコス氏は11日、テレビ放映された会見で、「次期副大統領に就任するサラ氏に教育相の仕事は難しいが彼女に対応できるかと私が聞いたところ、彼女がその任務を受けることに合意した。彼女は母であり、自分の子どもたちが訓練を受けて、良い教育を受けることを確実にしたいと思うだろうからだ」と最初の閣僚人事について自信を示した。しかし、マルコス氏本人は「まだ100%開票が終わっていない」として、自分自身で勝利宣言は行っていない。

 一方、ボンボン候補の脱税問題をめぐって立候補資格の剥奪を求めているマルコス元大統領の政権下に人権侵害を受けた犠牲者や遺族たちの団体CARММAの代理人を務めるカリェハ弁護士は11日、中央選挙管理委員会によって棄却された立候補資格剥奪の申立てを最高裁に上告する意向を示した。

 中央選挙管理委員会は11日、パサイ市のフィリピン国際会議場で上院選の公式集計を開始した。正副大統領選の公式集計は23日から上下両院議員の立ち合いの下、同会議場で正式に開始される。

▽無効選挙の投票所も

 一方、中央選挙管理委員会は11日、南ラナオ州トゥバラン町やブティッグ町など3町の14バランガイ(最小行政区)にある投票所で9日の投開票時に投票用紙が暴徒らによって盗まれたり、自動読取り機が破壊されるなどしたため選挙手続きの無効を宣言した。登録有権者は8295人で、15日に特別選挙を実施するという。 (澤田公伸)

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