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9月1日のまにら新聞から

ゴー氏が大統領選出馬辞退 クシー氏は決断再考促す

[ 874字|2021.9.1|政治 (politics) ]

ドゥテルテ大統領とのペア出馬を要請されていたゴー上院議員が辞退表明

ドゥテルテ大統領と話すボン・ゴー上院議員(右)=2020年3月4日(大統領府広報室提供)

 最大与党PDPラバンからドゥテルテ大統領(副大統領候補)とペアの大統領候補として来年5月の正副大統領選への出馬要請を受けているボン・ゴー上院議員は30日、立候補を辞退する意思表明を行った。これに対し同党のクシー総裁は、再考を促している。

 ゴー氏はクシー氏に書簡を送付、「上院保健委員長の職務に専念したい」として党役員会からの出馬要請を断った。書簡の中で同氏は「南の町からやってきた田舎者に大統領推薦の信任を与えてくれ心から光栄に思う。しかし以前から言っている通り、私は大統領の座に興味がない」と伝えた。

 クシー総裁は同日、ゴー氏へ書簡を返信。その中で「党役員会はゴー氏の立場を理解しているが、なおゴー氏の大統領選出馬を後押ししている。党役員はゴー氏こそドゥテルテ氏のペアとして最適任であり、2人が国を導くにあたって最良の人物だと固く信じている」と述べ出馬辞退を考え直すよう促した。

 公務員の不正などを調査する上院ブルーリボン委員会では27日、保健省の不適正会計問題をめぐり予算管理省調達サービス局が不正を見逃していたかどうかでラオ前予算管理次官が追及され、委員会審議ではたびたび同次官とボン・ゴー氏のつながりにも言及があった。ゴー氏の関与が疑われたタイミングでの出馬辞退表明となった。

 大統領選をめぐっては世論調査で支持率トップに立つドゥテルテ大統領の娘のサラ・ダバオ市長の出馬は確実とみられているが、サラ氏は今のところ、副大統領候補として父やボン・ゴー氏とのペアを組むことは拒否していると比メディアは報じている。

 ただ、フィリピンの大統領選は、10月1日の立候補届け出直前まで、ペア候補の入れ替えが繰り返され、立候補届け出後も、当選の可能性が薄いとみた候補は他陣営支持に回ることが多い。また、比の大統領選はペアで当選が決まるのではなく、それぞれ最多得票を得た候補が正副大統領に選出されるため、現在のドゥテルテ大統領とロブレド副大統領のように与野党に分かれて対立する「ミスマッチ」ペアになることもある。(竹下友章、石山永一郎)

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