東ダバオ州沖で10日午前9時43分、マグニチュード7・4の地震が発生した。発災当初はマグニチュード7・6と発表されたが、後に7・4に修正された。震源は同州東沖43キロの海底。ダバオ市およびダバオデオロ、東・西・北ダバオ、コタバト、南コタバト、サランガニの各州で強い揺れ(フィリピンの震度5)が観測された。その後も余震が続き、午後7時12分には東ダバオ州沖でマグニチュード6・9が観測された。9月30日にセブ州でマグニチュード6・9の大型地震が発生して2週間と経たないうちに、ミンダナオでそれを超える強さの地震が発生した。比火山地震学研究所は、地震の原因はフィリピン群島の東を南北に走るフィリピン海溝の動きだとしている。
東ダバオ州のダヤンヒラン知事はテレビのインタビューで、倒壊した建物などの下敷きになって2人が死亡したことを報告。また地震による土砂崩れが1件発生し、複数の橋梁(きょうりょう)や病院などの施設・インフラにひび割れなどの損傷が見つかったとした。ダバオ市サンペドロ大では化学物質の流出事故が発生し、同市消防局が出動した。
在ダバオ日本国総領事館によると、午後4時20分現在で、在ミンダナオの邦人約1300人(うち約800人はダバオ市在住)に関し、地震による物的・人的被害は報告されていない。同館は震源地に近い場所に住む邦人を対象に安否確認作業を進めている。
発災後は住民に迅速な避難を要請する津波警報が発令された。東ダバオ、ディナガットアイランド、南・北スリガオ、レイテ、南レイテ、東サマールの7州を対象に出されたが、その後、南スリガオ州の観測所で30センチの津波が観測された後、警報は解除された。
一部航空便も影響を受けた。民間航空局によると、同日、フィリピン航空エクスプレスのマニラ~ダバオ便がセブ・マクタン空港に、セブパシフィックのマニラ~ダバオ便がジェネラルサントス国際空港にそれぞれ緊急着陸した。同局は北サンボアンガ州のディポログ空港に小さなひび割れが見つかったとして安全性検査を行った。(竹下友章)