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10月7日のまにら新聞から

11月に大統領が署名見通し ブラカン空港都市経済区創設

[ 717字|2023.10.7|経済 (economy) ]

ブラカン空港都市経済区創設法改正案をマルコス大統領が11月にも承認する見通し

 複合企業大手サンミゲルがブラカン州ブラカン町で建設を進めているブラカン国際空港(新マニラ国際空港)の隣接地に予定されているブラカン空港都市特別経済区を創設する法案の改正案が、大きな争点もなく下院を通過した。マルコス大統領が11月にも署名する見通しが強まっている。

 大統領が最初に拒否権を行使したのが同法案だったが、下院で環境問題などへの対策強化で修正が加えられた改正案が発効すれば、国内最大級で輸送セクターに特化した大型エコゾーンが誕生する。5日付英字紙インクワイアラーが報じた。

 同改正案の筆頭提案者であり下院歳入委員会委員長のジョーイ・サルセダ議員によると、同経済区が創設されれば、入居する輸出企業の年商合計は10年以内に2000億ペソに達するとみられている。また、国内総生産の0・6%に相当する1309億ペソの経済総付加価値を毎年生み出すと期待されている。

 また、同議員は、ブラカン国立大などと提携して有能な人材の確保も可能となっているほか、滑走路4本からなる新国際空港に隣接しているという立地の強みや航空・宇宙など輸送セクターに特化したエコゾーンとしての特別性が強みになると自信を示している。

 さらに同議員は、韓国の仁川国際空港に隣接する仁川経済自由区域(IFEZ)の顧問を約10年務めた経験から、ブラカン国際空港と空港都市特別経済区を創設するというサンミゲルの構想が、仁川経済自由区域事業と共通点が多いことを指摘している。

 ブラカン国際空港(総工費7400億ペソ)の工事進捗率は今年6月末時点で68・92%に達しており、2026年の開業は可能だとサンミゲルのラモン・アン社長が表明している。(澤田公伸)

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