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4月28日のまにら新聞から

加速する南北鉄道事業 2契約パッケージ調印式

[ 639字|2023.4.28|経済 (economy) ]

南北通勤鉄道事業延伸契約パッケージ2件の調印式が27日、大統領府で行われた

マルコス大統領(中央左)、ケリー・バード・アジア開発銀行カントリーディレクター(中央右)らが立ち会うなか行われた南北通勤鉄道延伸契約調印式=大統領府広報室フェイスブックより

 マルコス大統領は27日、大統領府で行われた南北通勤鉄道事業における延伸契約パッケージCPS―02及び03の調印式に立ち会った。調印式では同パッケージに融資を実施しているアジア開発銀行(ADB)のケリー・バード・カントリーディレクターも見守り、バウティスタ運輸相と請負企業連合体2社が署名した。

 契約パッケージCPS―02(事業費290億ペソ)はスペイン系企業のアクシオ・コンストラクション・フィリピンと比建設大手DMCIによる企業連合体が、また契約パッケージCPS―03(事業費239億2000万ペソ)はオーストラリア系企業の香港法人レイトン・コントラクターズと地元建設企業のファースト・バルフォーの企業連合体がそれぞれ受注した。

 調印式で大統領は、同通勤鉄道事業が交通渋滞の緩和に加え、地域間の経済活動を促進し、環境の持続可能性や公衆衛生の面でも一役買うと説明。また「同契約パッケージにより、2000人以上の雇用も生まれる」と利点を挙げた。

 同事業はパンパンガ州クラーク国際空港からラグナ州カランバ市を結ぶ総事業長147キロメートル、計35駅の鉄道延伸事業(総事業費8736億2000万ペソ)で、普通列車51台と急行列車7台が運行する計画。ADBと国際協力機構(JICA)から融資を受けている。2026年に一部運行開始、29年に全面運行の予定で、本格稼働後は毎日の利用者約80万人が見込まれる。また、延伸区間の移動時間も2時間未満に短縮されるという。(沼田康平)

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