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1月7日のまにら新聞から

失業率が17年ぶり低水準 11月、不完全就労率は上昇

[ 951字|2023.1.7|経済 (economy) ]

11月の失業率は前月比0.3ポイント減、前年同月比では2.3ポイント減となる4.2%。就業率回復

 統計庁の6日発表によると、2022年11月の失業率は前月比0・3ポイント減、前年同月比では2・3ポイント減となる4・2%まで改善し、2005年4月以来の低水準を記録した。また就業率や労働参加率も同様に回復した。

 11月の失業者数はおよそ218万人となり、前月の224万人や前年同月の316万人よりも縮小。15歳以上の就業率も同様に95・8%(4971万人)と回復し、前月4711万人や前年同月4547万人を上回った。15歳以上の人口に占める労働力(就業者と失業者の合計)を表す労働参加率は67・5%となった。

 一方、より長時間の就労を望みながらそれより短い時間しか就業できていない不完全就労者の割合は14・4%(716万人)と前年同月比2・4ポイント減少したものの、前月比では0・2ポイント増加しており、就労状況の質が悪化したとの指摘もある。

 若年層(15~24歳)の労働参加の割合は2014万人のうち805万人(40%)と低迷したままだが、前年同月37・5%や前月34・2%よりも改善している。

 男女別にみると、失業率は女性が4・1%(2217万人)と男性の4・3%(2971万人)より低くなった。就業率が女性95・9%、男性95・7%。不完全就業率は男性(16・1%)が女性(12・1%)を上回っている。

 一方、男性の77%、女性の57・8%が労働に参加しており、男性の労働参加率が女性を大きく上回っている。

 前年同月と比べ最も雇用が回復した業種は「卸・小売、自動車整備」で131万人増。次いで、「製造業」の97万5000人、「宿泊、飲食サービス」75万人、「運輸・倉庫」49万1000人、「管理・サポートなどのサービス」37万6000人の順。

 前年同月に比べ最も就業者が減少したのは「水産業・農業」で53万2000人減。次いで「教育」4万5000人、「公共サービス」4000人減、「建設業」3000人減となった。

 英字紙スター電子版によると、INGバンクのニコラス・マパ上級エコノミストは「就業率や労働参加率で明るい材料があるものの、不完全就労者のデータは物価高騰に対応するため、より多くの就労時間や給与を必要としていることを示している」と指摘した。(沼田康平)

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