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12月10日のまにら新聞から

財源から2保険機構を除外 政府系ファンド創設法案を修正

[ 1149字|2022.12.10|経済 (economy) ]

政府系ファンド創設法案の財源拠出元からGSISとSSSを除外へ

 マルコス大統領のいとこにあたるロムアルデス下院議長や大統領の長男であるサンドロ・マルコス下院議員ら大統領の身内から提出され、議論を巻き起こしていた政府系ファンド創設法案(下院法案6398号、通称「マハルリカ基金」)について、その財源拠出元から当初規定されていた公務員保険機構(GSIS)と社会保険機構(SSS)を除外する修正決定がなされた。しかし、上院では同法案への支持獲得がより困難になるとの見方も出ている。

 下院予算委員会の筆頭副委員長で同法案起草者の1人でもあるステラ・キンボ議員(首都圏マリキナ市選出)は7日、「経済閣僚らとの協議の中で提出された評価に基づいて、われわれ法案提唱者は、GSISとSSSを財源拠出元から除き、代わりにフィリピン中央銀行の収益を利用する決定が下った」と明らかにした。

 同ファンドのその他の財源としては、国営銀行ランドバンク(500億ペソ)とフィリピン開発銀行(250億ペソ)の配当・収益から資金調達を行うことになるとし、同議員は「私の見るところ、初期財源として1500億ペソあれば十分」との認識を示した。

 シンガポールや香港など、政府系ファンド自体は珍しくはないが、当初法案では2750億ペソの立ち上げ財源のうち、GSISから1250億ペソ、SSSから500億ペソをそれぞれ調達する予定となっていた。

 8日のGMAニュース電子版によると、この修正決定に対し、上院のピメンテル野党院内総務は同日、世間からの強い反対を受け提案の主たる資金調達機関の変更を余儀なくされるなど「法案はまだ十分に練られておらず、早急だ」とし「上院では反対の憂き目に遭うだろう」と厳しい姿勢を見せた。同法案の上院版もまだ提出されていないという。

 ピメンテル議員は、巨額の債務を抱え、超過歳入に欠ける比における「マハルリカ基金は、その論拠が弱いだけでなく、そもそも反対が根強い」と自身も否定的な姿勢を示した。理財局のデータによると、10月末の債務残高は過去最高の13兆6400億ペソとなり、9月末から0・92%(1239億2000万ペソ)の増加が見られたという。

 ▽身内からも懸念の声

 マルコス大統領が立場を保留している一方、ネットニュースのラップラーによると、ジョーイ・サルセダ下院議員=アルバイ州=は、ファンド創設法案が大統領の発案だったことに言及している。また、大統領姉のアイミー・マルコス上院議員も「経済状況が芳しくない中で(ファンド創設は)心配だ」と懸念を表明。隣国マレーシアで2018年に政府系ファンド「1MDB」の資金を流用した疑惑で逮捕されたナジブ元首相を例に「彼らのファンドに起きたことは政府全体に響く大きな災難だった」と述べた。(岡田薫)

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