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10月3日のまにら新聞から

ケソン市2駅区間を受注 首都圏地下鉄、272億ペソ事業 三井住友建設

[ 988字|2022.10.3|経済 (economy) ]

ゼネコン大手の三井住友建設は30日、マニラ首都圏地下鉄事業計画(第1期)のケソン市における2駅区間の建設工事を受注したことを発表 

マニラ首都圏地下鉄事業計画の路線図=運輸省フェイスブックより

 日系ゼネコン大手の三井住友建設は9月30日、マニラ首都圏地下鉄事業計画(第1期)のケソン市における一部区間の駅舎およびトンネル建設工事を受注したことを明らかにした。30日の英字紙ビジネスワールド電子版が報じた。

 同社は23日にケソン市における地下鉄駅となるアノナス駅とカティプナン駅の2駅舎の建設およびトンネル建設事業の落札通知を運輸省から受け取ったという。予算管理省調達サービス局によると、発注契約パッケージは211億4000万ペソと149億5000万円(60億8000万ペソ)の2事業で、総額272億2000万ペソに上る。

 キム・デレオン運輸次官が送付した同社の山地斉常務執行役員への書簡によると、国際協力機構(JICA)がまだ同契約に同意する必要があり、日本の政府開発援助(ODA)の融資を含む規則にもとづいて同社が必要書類を提出することも必要だとしている。

 JICAは2018年3月、ケソン市のミンダナオ通りからパサイ市のマニラ国際空港第3ターミナルまでの36キロメートル区間の地下鉄事業(3556億円相当)のフェーズ1第1期事業への円借款契約を調印している。

 すでに東急建設と飛島建設、比建設大手メガワイド・コンストラクションの企業連合体が今年5月、首都圏地下鉄事業のパシッグ市におけるオルティガス北・南の地下鉄2駅の建設と両駅をつなぐトンネル工事(177億ペソ相当)を受注している。また日系商社大手の三菱商事が地下鉄向けの鉄道システム一式を納入する契約(1400億円相当)も結んでおり、日本企業が活躍の場を広げている。

 首都圏地下鉄計画は首都圏バレンスエラ市とパサイ市マニラ国際空港との間を17駅で結ぶ、フィリピン初の地下鉄建設・運営事業となる。完成すれば所要時間は現在の1時間10分から35分に短縮される。

 一方、三井住友建設は、やはり日本政府やアジア開発銀行(ADB)の融資を受けて進められている南北通勤鉄道建設のマニラから北方のブラカン州にかけての北通勤線の3駅区間の建設事業も受注している。しかし、南北通勤鉄道の南通勤線建設事業では4事業区間中、3事業が韓国の現代建設と東亜地質の合弁会社が受注を勝ち取っているという。同事業では住友商事と総合車両製作所が鉄道車両304両(契約金額725億円)の納入案件を落札している。(沼田康平)

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