「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
33度-24度
両替レート
1万円=P4,080
$100=P5575

8月30日のまにら新聞から

北イロコス、BARMMに投資を JICA投資ウェビナーで比政府

[ 1541字|2022.8.30|経済 (economy) ]

比政府行政官がJICAのウェブセミナーで北イロコス、BARMMへの投資の利点を説明

北イロコス州貿易投資促進センターのブエノ職員によるビデオプレゼンテーション=29日

 国際協力機構(JICA)は29日、フィリピン、スリランカ、バングラデシュ、パキスタンの4カ国の行政官を招き、日本企業に対し投資環境を説明するウェビナーを開催した。比政府からは北イロコス州、バンサモロイスラム自治医地域(BARMM)の投資促進担当官が参加した。北イロコス州はボンボン・マルコス現大統領の地元であり、BARMMは比で最も経済水準が低く、大きな開発課題を抱える。

 北イロコス貿易投資促進センターのバロアロア・ジェファーソン職員は、国際交通の観点から、アジア地域の国際市場に対する立地上の優位性を説明。フィリピン北端部に位置する北イロコス州は香港、台湾、日本、韓国などの東アジア地域、南端に位置するBARMMはカリマンタン島北部=マレーシア、スラウェシ島=インドネシア、ニューギニア島西部=同=など赤道アジア地域(BIMP―EAGA)と連結しており、両アジア地域への「ゲートウエーとなっている」と説明した。

 同センターのブエノ・ロナレイ職員は日本語字幕付きのビデオプレゼンテーションで、日本企業について「強い購買力を有し、品質向上とイノベーションをもたらし、長期投資を行い、パートナーに対し約束を守り、知的所有権保護など国際ルールを順守するという優れた特色がある」との比政府の評価を提示。「こうした特色を持つ日本企業からの投資が比には必要だ」と訴えた。

 ▽治安と気候の北イロコス

 ブエノ職員はまた、北イロコスの優位性を説明。同州は貧困率が低い一方、犯罪検挙率は98%と高水準であり、治安の良さから「家族とともに駐在し、ビジネスに従事するのに適している」とした。また、自然条件としては大河川、強い太陽光、安定的な風の存在を挙げ、風力・太陽光・水力発電など「再生可能エネルギーの建設に適している」と説明。労働力の面では「識字率が高く、高学歴者が多い」とし、労働力の質の高さを強調した。

 その上で、同州には「経済特区が3つあり、投資促進専門機関が整備され、税制優遇措置など投資インセンティブ制度もある」とし、進出企業に積極的に支援する姿勢を示した。

 比統計庁によると、2021年の北イロコス州の貧困率は1・7%となっており、比の平均13・2%と比べ極めて低い。2019年時点のイロコス地域の機能的識字率(文章理解・計算含む識字率)は95・1%と17地域で3番目に高い。

 ▽赤道アジア進出拠点

 BARMMについては、BARMM貿易観光省投資局のアボバカル・シャメラ職員が登壇。同自治地域はイスラム教徒が多数派であり、カリマンタン島と近いことから「ハラール商品・サービスの生産拠点に適している」と説明した。更に「賃金水準は国内で最も低い」というコスト優位性を示し、東南アジア地域の中でも成長地域といわれる赤道アジア地域市場への戦略的拠点としての利点を説明した。

 BARMMの最低賃金は現在、非農業部門で1日316ペソ。570ペソの首都圏と比べ約45%低い。

 同職員はまた、MARMMが比唯一の自治地域であり、事業認可、投資優遇措置、経済特区の設置などの決定を「地域政府の権限で行える」とし、行政上の「取引費用」の優位性を指摘。また、水道、電力、インターネット、空港、港湾などの基本的インフラは「整備済みだ」とした。

 更に同地域は、原油、金属、非金属鉱物など地下資源、農漁業や観光資源が豊富にあるだけでなく、農業中心だった産業構造も現在はサービス業39・8%、農林水産業36・4%、工業24・7%となっており、第三次産業が急成長を遂げていると説明。農漁業、輸出品製造、物流業、観光業など多岐にわたる産業への進出を呼びかけた。(竹下友章)

経済 (economy)