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7月22日のまにら新聞から

「理想的な成長軌道に近づく」 比成長率ASEAN最高の6.5%

[ 715字|2022.7.22|経済 (economy) ]

ADBが今年の比のGDP成長率予測を6.0%から6.5%に上方修正

 アジア開発銀行(ADB)は21日、比の2022年実質国内総生産(GDP)成長率の予測を6・0%(4月予想値)から6・5%に上方修正したと発表した。東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要加盟国の中では、ベトナムと並び最大の予想成長率となった。ケリー・バード比担当ディレクターは「比経済成長の勢いは理想的な成長軌道に近いところまで加速している」と指摘。ウクライナ危機によるコストプッシュインフレや利上げによる投資減退が懸念される中、「強い内需」というプラス要因が大きく評価された。

 上方修正の理由についてバード氏は「雇用、海外送金、民間設備投資、大規模公共投資の増加で内需がより強くなる」と説明。「これらはコロナ禍からの経済回復を加速させる」とした。

 更に、比の新型コロナ感染対策については「未成年への接種も進む中、オミクロン株派生型の影響も比較的軽かったことで、第1四半期に防疫規制緩和に踏み切れた」と評価。「これにより多くの企業が操業を再開でき、5月の失業率は前年同月比1・7ポイント減の6・0%となった」とした。

 一方、今年下半期の経済減速のリスクとして、工業部門の生産鈍化、国際的な物価高の継続、財政上の制約を指摘。また、今年のインフレ率予想を4月予想より0・7ポイント高い4・9%に上方修正し、23年予測も3・5%から4・3%まで引き上げた。

 比政府は、今年の成長率を6・5%~7・5%、インフレ率を5%前後と予測している。

 他の東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の予想成長率は、ベトナムが6・5%、マレーシアが5・8%、インドネシア5・2%、シンガポール3・9%、タイ2・9%だった。(竹下友章)

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