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9月28日のまにら新聞から

コロナの経済損失41兆ペソ 「今後40年にわたり影響」

[ 904字|2021.9.28|経済 ]

 国家経済開発庁(NEDA)のチュア長官は25日、コロナ禍による長期的な経済への影響「履歴効果」は今後40年続き、累計41兆4000億ペソの経済損失をもたらすとの試算を発表した。

 NEDAは関連機構と共同でコロナ禍の長期的な経済への影響を試算。チュア長官は「昨年は4兆3000億ペソの損失だったが、向こう40年で約37兆ペソの経済損失が出る」と指摘した。

 飲食業、観光業、旅客運送業などの産業は社会的距離が要求されることから特に影響が大きく、同産業に対する需要と企業の投資は、向こう10年間にわたりコロナ禍がなかった場合に比べ低水準となる。それによる家計消費減は4兆5000億ペソ、企業投資と投資収益の機会損失は21兆3000億ペソに上る。

 企業の操業率が落ちたら、結果として税収も減少する。

 国内総生産(GDP)の回復についてチュア長官は「ナメクジのようなペースになりかねない」と警告。早ければ22年か23年にコロナ以前の水準に回復できそうだが、コロナ前の成長軌道に戻るには「10年かかる」とした。

 また、熟練前の労働力の喪失や、オンライン授業による教育の質低下によって労働生産性も低下。特に教育は平均生涯労働年数である40年にわたり悪影響を及ぼす。人的資本投資の低下による将来的な産出付加価値の喪失は15兆5000億ペソに上る。

 ▽遠隔授業の弊害大

 うち4兆5000億ペソは熟練前の死亡や、り患による労働生産の喪失。残り11兆ペソは遠隔授業による将来の労働生産性の低下と、保護者が家庭教育のために就労時間を削減することによって失われる所得とした。

 アジア開発銀行(ADB)は、1年間の対面授業停止で将来の賃金が10%下落すると試算。さらにNEDAの推計では、遠隔方式による教育効果は、対面授業の37%にしか及ばないという。

 チュア長官はコロナ禍の経済への悪影響に対処するため、①接種会場の増強と新技術を活用したワクチン接種プロクラムの加速化②局所封鎖を交えた安全な経済活動の早期再開③今年度予算の経済再生プログラムの完遂――を「喫緊の課題」と指摘した。(竹下友章)

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