UNHCRが比残留日系人に初言及 比国内の910人が無国籍か
[ 1110字|社会 (society) ] 無料国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は報告書において、19世紀後半から1945年までに、比へと移住した日本人の子どもたちで戦後無国籍となったケース(フィリピン残留日系人)について初めて言及した
![戦後の混乱で無国籍となっていたフィリピン残留日系人2世で日本で新たに戸籍を作る「就籍」を広島高裁に認められたメラニオ・タクミさん(右)と長男のジュセブンさん=2018年12月、広島市(フィリピン日系人リーガルサポートセンター提供)](/image.php?file=257307l.jpg&pass=8c698010d9eca786175f7d1741c2c67b)
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリピン事務所は、4月発表の無国籍問題に関する報告書で、19世紀後半から1945年までに比へと移住した日本人の子どもたちで戦後も残留し無国籍となったケース(フィリピン残留日系人、以下PJD)について初めて言及した。比政府は2010〜11年にかけて、無国籍リスクにある人々を「先住民バジャウ、インドネシア系の人々、武力紛争による強制移動の背景を持つ未登録の子どもたち、捨て子、移住先のフィリピン系の子どもたち(マレーシアのサバ州や湾岸諸国)」としていた。UNHCRによると、当時PJDは、比の国籍を選択する権利を行使できるといった誤解があり、対象外とされてきた。