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1月18日のまにら新聞から

接種めぐり政府の説明迷走 価格や交渉主体が不透明

[ 1204字|2021.1.18|社会 ]

 上院で先週2日間にわたり政府のコロナワクチン接種プログラムに関する公聴会が開かれた。出席した政府のワクチン政策責任者、ガルベス大統領補佐官が質問に十分答えられず、回答が何度も迷走。予想外の展開となり、ラクソン上院議員がさらなる公聴会の実施を求めるなど、ワクチン接種に関する論戦が長期化しそうだ。17日付英字紙スターが報じた。

▽政府間交渉なし?

 ラクソン議員は16日までに「政府は回答を避けている。さらに公聴会を継続するよう求めることも可能だ」と述べている。同議員によると、ドリロン上院議員が「中国製ワクチン確保で比政府は誰と交渉しているのか」と質問した際、ガルベス大統領顧問は「香港にいるヘレン・ヤン・シノバック社社長と直接、話をしている」と答え、比中の政府間交渉ではなく、民間製薬企業と直接交渉していることを明らかにした。これは公聴会に出席したドゥケ保健相も認め、政府間で交渉を進めていると理解していた上院議員の間に困惑が広がった。

 また、世界保健機関(WHO)が主導するワクチンの公平供給に向けた共同購入に関する国際枠組み「COVAX(コバックス)」について、政府側は公聴会で最初、「かなり割引された価格になる」としたが、後に「無料になる」と答えるなど食い違いがみられた。民間企業や自治体が主導するアストラゼネカ製ワクチンの購入に向けた一括契約についても、民間企業は「接種1回5ドル」としているが、ガルベス補佐官は「守秘義務契約のため答えられない」と回答を拒否、上院議員らの不評を買った。

▽購入予算に疑念も

 さらにワクチン入手時期について尋ねたアイミー・マルコス議員の質問に対し、ロケ大統領報道官がシノバック製のワクチンが2月20日までに確保できると表明しているにもかかわらず、ガルベス補佐官は「(契約はまだ結ばれておらず)今から撤回することもできる」と答えたためマルコス議員は「私は本当に混乱している」とコメントしたという。

 比側でワクチンを調達する主体についても、政府側は「地方自治体や民間企業が直接調達する」と答えたが、後に輸入・流通ルートについて確認すると、ワクチンが関税庁を通関した後に保健省がワクチンを一括で取り扱うことになっており、地方自治体や民間企業による流通への介入は認められていないとした。

 ラクソン議員によると、比はコバックスの枠組みで4400万回分のワクチンが無料で確保できる見通しのほか、地方自治体が1400万回分、民間企業が850万回分のワクチンをそれぞれ調達する契約をすでに結んでいる。

 政府は集団免疫を獲得するために国民の7割ほどへのワクチン接種を目指しているとされるが、ラクソン上院議員は「なぜ政府は残りの必要分のワクチンのために莫大な予算を計上しているのか。なぜワクチン価格を表明しないのか」との疑念も述べている。(澤田公伸)

社会

マニラ日本人学校で卒業式 タギッグ市許可 対面で実現

[ 835字|2021.3.9| ] 無料記事

【マニラ日本人学校で卒業式。タギック市の許可を得て少人数の対面で実現】 マニラ日本人学校(ダギッグ市、梶山康正校長)で8日、小学部と中学部の卒業式が行われた。同校の授業は昨年3月の新型コロナ防疫措置強化以来、オンラインのみで行われているが、卒業式はタギッグ市の許可を得て対面で行われ、約1年ぶりに生徒児童が学校に集まった。  ただし、日本に帰国中で受験などのため再入国できない生徒児童も多いことや、感染防止への配慮から、小学部卒業生22人、中学部卒業生15人のうち、実際に学校に来たのは小学部10人、中学部4人のみ。保護者約10人も参加したが、やや寂しい卒業式になった。他の卒業生や在校生はオンライン参加した。  バスケットボールコートで行われた式ではまず梶山校長が「未来は君たちの手の中にある。未来を創っていくのは君たち自身だ」と卒業生にはなむけの言葉を伝えた。  小学部在校生の「送る言葉」はオンラインで行った。中学部は2年生で1人だけ出席した生徒会副会長の南澤慧海(えかい)君が送辞で「全校みなで卒業生を祝福したかったが、卒業生の今後の活躍を願っている」と述べた。  答辞は生徒会会長の菊地娃香(あいか)さんが「コロナによって一つ一つ、いろいろなことが削られていってしまった」とこの1年を振り返りつつ、同級生、先生、親らに「これまで本当にありがとう」と涙声で繰り返し感謝の言葉を伝えた。菊地さんは「私たちはあすからそれぞれの道を歩んで行くが、ここは、ずっと第2のふるさとです」と結んだ。  式後、梶山校長は「出席者を絞り、屋外でやる ことで、なんとか対面で卒業式ができたことをうれしく思っている。タギッグ市の配慮にも感謝している」と語った。同市内の学校で対面の卒業式が行われるのは初めてで、同市職員も「モデルケース」として見学に訪れた。  マニラ日本人学校の在校生は現在、日本に帰国中の生徒児童を含め、小学部142人、中学部42人の計184人。昨年3月時点の計460人と比べるとコロナ禍で大幅に減っている。(石山永一郎)