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10月16日のまにら新聞から

下院の党派抗争はまだ続く カエタノ議長失職の背景

[ 798字|2020.10.16|社会|新聞論調 ]

 政府が新型コロナウイルスの抑え込みに四苦八苦している間に下院議長職を巡る闘争が起きたことは、我々が憤慨する正当な理由があるだろう。ただ、ドゥテルテ政権の政策を批判する者として、怒りに任せて政治分析の目を曇らせてはならない。

 カエタノ氏とベラスコ氏は政権与党に属し、どちらが勝っても同じと思ってはいけない。カエタノ氏には深い計算があったことが重要だ。彼は、フィリピンの評判を貶めた昨年の東南アジア競技会のでたらめな運営準備で責任を負っている。ドゥテルテ大統領が謝罪に追い込まれ、競技会開催前日に「床に寝させられ、長時間待たされ、空腹を訴えた選手たちの受難と不快な思いを忘れ去るわけにはいかない」と述べている。カエタノ氏が設立した民間の同競技会組織委員会は現在も未払い請求を抱えている。関係筋によると、下院与党連合の議員たちは前から同氏の調査を望んでいたという。同氏は恐らく自分が議長職を失えば、与党議員らから調査される可能性を分かっていたのだ。

 カエタノ氏は、ABS―CBNの放送権付与法案を反故にした張本人だが、今度は自身の任期分割合意の順守を求められ、因果応報を感じさせる。ベラスコ氏が議長でも同じことをしたかもしれない。しかし、カエタノ氏が予算案審議を危機にさらしたことを忘れてはならない。自分の解任を防ぐために通告なしで議会を休会させたことだけでも十分、解任に値する行為だ。

 ベラスコ議長誕生にサラ・ドゥテルテ氏が一役買ったとみる向きがある。かつて施政方針演説当日に当時のアルバレス下院議長を解任し、アロヨ新議長が誕生した際にも彼女が関与したのはよく知られている。しかし、サラ氏の立ち上げた地方政党が勢いを増す気配もない。カエタノ氏は大統領選出馬を目指しているが、今回の騒動で打撃を受けた。下院の党派抗争はまだ激しく続くことだろう。(13日・インクワイアラー、ジョーン・ネリ)

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