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9月18日のまにら新聞から

市民に憩いの場を提供 マニラ湾ビーチ化事業

[ 777字|2020.9.18|社会|新聞論調 ]

 ロハス通り沿いの米国大使館からマニラヨットクラブまでの防波堤沿いを白砂ビーチにする事業をめぐり、環境天然資源省とシマツ大臣が批判にさらされている。総額3億8900万ペソの同事業はマニラ湾沿いの遊歩道を美化して観光名所にすると同時に、市民に新しい憩いの場を提供するのが目的だ。

 最高裁は2008年12月、マニラ湾で遊泳ができるレベルまで沿岸を清掃・再整備し、湾に注ぎこむ川も含めて大腸菌のレベルを低下させるなど浄化することを政府に命じた。19年2月になってドゥテルテ大統領がマニラ湾タスクフォースの結成を命じ、環境天然資源省を中心にマニラ湾の積極的な浄化事業が始まった。1年半ほどの浄化作戦で海水の大腸菌レベルが大幅に改善、以前は大雨直後にトラック50台分のゴミが1日に回収されていたが、最近ではゴミ袋3個ほどに減っている。

 筆者はこの事業に賛成だ。観光業収入の向上に寄与し、プライドを高め、憩いの場を提供するなど、マニラ市民の生活の改善につながるからだ。土木工学的にも人工の砂浜は洪水や土砂の侵食を防ぐ。ドロマイト砂にはカルシウムやマグネシウムが含まれ、海水の栄養度を高め、サンゴの幼虫の育成にもつながる。

 ビーチ化に批判の声も多い。一番強い批判は、コロナ禍の今、環境美化より医療衛生や貧困対策に資金を振り向けるべきだというものだ。しかし、コロナ対策に国はすでに1兆1930億ペソの予算を確保している。ビーチ事業はコロナ禍以前に大統領府の緊急予算枠からの出費が決まっており、国の開発事業を進めることも大切だ。

 ドロマイト砂が健康被害を引き起こすとの批判もあるが、132キロにわたるフランス・リビエラ海岸では2割以上がドロマイト砂で造られているにもかかわらず、健康被害はほとんど報告されていない。(16日・スター、アンドリュー・マシガン)

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