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8月2日のまにら新聞から

学習への関心失う子どもたち 長期休校の弊害

[ 628字|2020.8.2|社会|新聞論調 ]

 休校が長引けば長引くほど、子どもたちは新しく学んだことを忘れる。国際的な研究によると、通常の夏休みでさえ、学習の損失は20%と言われている。

 現状のフィリピンの学校教育はすでに世界標準に大きく後れをとっている。79カ国の15歳を対象とした2018年の学習到達度調査(PISA)では、読解力で比が最も低く、数学と科学は2番目に低かった。

 比でも私立校の15歳は世界トップクラスだったが、総合評価は公立校の生徒によって引き下げられた。これは教育における社会的な格差も意味している。

 最近では、比人は東南アジア諸国連合(ASEAN)で最も知能指数(IQ)が低いという結果が出てしまった。ただでさえ、問題を抱えていた比の教育が、新型コロナウイルスの感染拡大により、もう5カ月も中断されたままになっている。

 これだけ長引くと子どもたちは学習への関心を失ってしまう恐れさえある。また、コロナ禍で、私立校を中心に、子どもを学校に通わせられなくなった家庭も多い。学校に通わなくなった子どもが一家の働き手になっている例もあるとみられる。

 政府は新学期を8月24日と決めているが、対面授業はできないとされ、インターネット、テレビ、ラジオを通じた教育を手掛けようとしている。

 どの手段も教室での対面授業よりも教育手段としては劣るが、どのような手段であれ、政治家は学校教育が継続できるよう資金を割り当てるべきだ。(7月31日・スター、ハリウス・ボンドク)

社会

大統領 イベルメクチンの治験指示 科学技術省も見解変え実施へ

[ 834字|2021.4.21 ] 無料記事

【ドゥテルテ大統領がイベルメクチンの治験指示、科学技術省も見解変え実施へ】 大統領府によると、ドゥテルテ大統領はこのほど、新型コロナ治療や予防に効果があるとされている日本が開発した抗寄生虫薬イベルメクチンについて、国内で新型コロナ治療に使用することを目的とした治験をただちに開始するよう保健省と科学技術省に命じた。  これまで科学技術省は「治験は外国の結果を待てばいい」と国内での治験に否定的だったが、大統領の指示を受けてデラペーニャ科学技術相は19日の会見で「保健省とともにただちに実施する」と表明した。  デラペーニャ氏によると、治験場所はフィリピン総合病院(マニラ市)とし、治験の責任者はマニラドクターズ病院(同)呼吸器内科の専門医アイリーン・ワン医師が務める。治験は軽度、中度の症状を示している患者にイベルメクチンを服用させて経過を観察、入院日数の短縮などの統計上有意な結果があるかどうかを確認する。  治験としているが、特定の患者を対象とするのではなく、新型コロナ患者に幅広く使用するとみられる。  ただし、治験期間についてデラペーニャ氏は「少なくとも半年」としており、治験後に医薬品として正式承認するとなると、早くても年末になるとみられる。(石山永一郎)  ニュースワード イベルメクチン  2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智北里大特別栄誉教授が土壌微生物から開発した抗寄生虫薬。中南米に多いブヨに刺されることで感染するオンコセルカ症(河川盲目症)や疥癬(かいせん)、比でもルソン島北部で感染例があるリンパ系フィラリアなどの特効薬として既に30年以上、世界各国で50億回分以上が使われてきた。米国や中南米での研究で新型コロナ治療でも致死率を大幅に下げ、感染予防効果もあるとの結果が出ているが、それに反論する論文も発表されるなど医学会で論争が続いている。製造元は米メルク社。比では動物用の寄生虫薬としてのみ承認されているが、ソット上院議長などのように個人の判断で予防用に服用する人が増えつつある。