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5月29日のまにら新聞から

サイバー犯罪の取締り強化を 防疫強化で児童ポルノが蔓延

[ 787字|2020.5.29|社会|新聞論調 ]

 パンデミックに伴い人々が家に巣ごもりするようになると、サイバー空間が人と人を結ぶ主要な場となった。オンライン会議やチャット、ライブストリーミングなどを通じての交流だ。しかし、残念ながらそのような交流を促す技術がサイバー犯罪の拡大にも一役買っている。オンラインを通じた児童ポルノなどの性的搾取という犯罪が急激に増えているのだ。司法省サイバー犯罪課によると、首都圏などで防疫強化措置が実施された時期とほぼ重なる今年3月1日から5月24日までに記録されたサイバー犯罪認知件数が27万9166件で、前年同期の7万6561件に比べて264%も増えている。

 国連児童基金(ユニセフ)は比が「(児童ポルノなどの)ライブ・ストリームによる性的搾取取引の世界的中心地になっている」と指摘している。比の子どもの5人に1人がオンラインによる性的搾取の被害者になる可能性があるというのだ。2017年にもユニセフは比を「世界最大の児童ポルノの供給地」と名指ししている。その理由として、貧困状況と英語能力の高さ、インターネットやスマートフォンへのアクセスしやすさ、そして送金受取所が市中に多いことなどをあげている。また、捜査体制が弱いことや人身売買される子どもたちを救出しリハビリする制度が整っていないことも問題視されている。

 児童ポルノの撲滅に向けて闘う市民団体らはこれらサイバー犯罪を取り締まる包括的な法律の制定が必要だと訴えている。それにはポルノ画像をブロックするようプロバイダーに命じる権限も含まれるべきだという。また、団体によると犯罪に手を染めるのは子どもたちの親や親族自身である場合が多いという。防疫強化措置や休校で自宅に待機せざるを得ない子どもたちが被害に会う可能性も高い。人権を食い物にする者から子どもたちを守るためサイバー犯罪の取締りを強化する必要がある。(26日・スター)

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