まにら新聞ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
34度-24度
両替レート
1万円=P4,470
$100=P4,840

5月29日のまにら新聞から

サイバー犯罪の取締り強化を 防疫強化で児童ポルノが蔓延

[ 787字|2020.5.29|社会|新聞論調 ]

 パンデミックに伴い人々が家に巣ごもりするようになると、サイバー空間が人と人を結ぶ主要な場となった。オンライン会議やチャット、ライブストリーミングなどを通じての交流だ。しかし、残念ながらそのような交流を促す技術がサイバー犯罪の拡大にも一役買っている。オンラインを通じた児童ポルノなどの性的搾取という犯罪が急激に増えているのだ。司法省サイバー犯罪課によると、首都圏などで防疫強化措置が実施された時期とほぼ重なる今年3月1日から5月24日までに記録されたサイバー犯罪認知件数が27万9166件で、前年同期の7万6561件に比べて264%も増えている。

 国連児童基金(ユニセフ)は比が「(児童ポルノなどの)ライブ・ストリームによる性的搾取取引の世界的中心地になっている」と指摘している。比の子どもの5人に1人がオンラインによる性的搾取の被害者になる可能性があるというのだ。2017年にもユニセフは比を「世界最大の児童ポルノの供給地」と名指ししている。その理由として、貧困状況と英語能力の高さ、インターネットやスマートフォンへのアクセスしやすさ、そして送金受取所が市中に多いことなどをあげている。また、捜査体制が弱いことや人身売買される子どもたちを救出しリハビリする制度が整っていないことも問題視されている。

 児童ポルノの撲滅に向けて闘う市民団体らはこれらサイバー犯罪を取り締まる包括的な法律の制定が必要だと訴えている。それにはポルノ画像をブロックするようプロバイダーに命じる権限も含まれるべきだという。また、団体によると犯罪に手を染めるのは子どもたちの親や親族自身である場合が多いという。防疫強化措置や休校で自宅に待機せざるを得ない子どもたちが被害に会う可能性も高い。人権を食い物にする者から子どもたちを守るためサイバー犯罪の取締りを強化する必要がある。(26日・スター)

社会

「強制ではない」と内閣相 職場での義務付け禁止へ

[ 884字|2021.3.6 ] 無料記事

【ワクチン接種について内閣相「強制ではない」。労働雇用省もガイドライン作成へ】 国内での政府ワクチン接種プログラムが今週から始まったのを受けて、一部の企業や地方自治体などでは接種しない従業員の就業を禁止する方針が検討されているが、ノグラレス内閣相は4日の記者会見で「政府はワクチン接種を強制するものではない」と言明、就業条件としてワクチン接種を義務付ける考えに反対の立場を示した。労働雇用省もワクチン接種の費用を使用者が負担し、接種拒否を理由とする解雇を禁止することなどを盛り込んだ職場向けのガイドラインを出す見込み。5日付英字紙マニラタイムズが報じた。  ノグラレス内閣相の声明は、トレニャス・イロイロ市長が最近発表した声明に反応したものとされている。同市長は声明で「市内で勤務するすべての従業員に対して就業を許可する前にワクチン接種を義務付けることを検討している」と表明していた。  労働者のワクチン接種については、ベリョ労働雇用相が3日、「ワクチン接種を拒否した労働者を解雇してはならない」と警告し、すでに企業内でのワクチン接種に関するガイドライン草案を策定、労使関係団体などから意見を集めるために周知していると述べている。このガイドライン草案によると、職場でのワクチン接種費用はすべて事業主や使用者が負担し、その従業員に費用を負担させてはいけないことを明示。さらに、接種を拒否した従業員を解雇するなどの差別的待遇を禁止している。  労働組合側などからはガイドラインに賛同する声がすでに寄せられており、ベリョ同相は5日にもガイドラインに署名する予定という。同相は「従業員にワクチン接種を義務付けることは法律的に根拠がない。そういった行為は違法な停職処分ないし違法解雇とみなされる」と述べ、財界に対して改めて警告している。  上院労働委員会の委員長を務めるビリャヌエバ上院議員もこのほど、「最近の世論調査で、安全性の問題ゆえに国民の47%がワクチン接種を望まないと答えている。ワクチンに対する懸念がある中で、接種を拒否した労働者に落ち度があるとみなすことはできない」と述べ、従業員への接種強制に反対する立場を明言している。(澤田公伸)