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12月15日のまにら新聞から

裕福な議員が見逃したこと 大衆魚価格高騰

[ 592字|2019.12.15|社会|新聞論調 ]

 確かにガルンゴン(アジの一種)が高価ならば、代わりにティラピアやバグス(ミルクフィッシュ)を食べるのは合理的だ。値段が高ければ、買うべきではない。こう考えたシンシア・ビリャール上院議員は、この魚の消費を金だけの問題にし、大事なことを見逃した。

 ガルンゴンは庶民が食べる魚の象徴であり、手頃な価格のものの隠喩だ。それが1キロ360ペソまで高騰したのは異常だ。毎日の普通の生活の象徴と見なしていた庶民を不安にさせる。めちゃくちゃな生活の兆候だ。さらに不快なのは、価格安定のため輸入せざるを得ない現状だ。

 キャビアや和牛の値段が高騰しても、元々庶民には異質なものだから、問題にはならない。しかし、ガルンゴンが庶民の手の届かないものになるのは、庶民のバランス感覚と誇りへの攻撃になる。人々は侮辱されたと見なし、怒るだろう。この魚が象徴している普通の生活がもろくなっているということなのだ。

 ビジネスパーソンとして、財務諸表を見るのに慣れ、コストから物事を測る上院議員には、ガルンゴンに文化的な意味はない。

 比国で最も裕福な上院議員が、この魚に対する人々の愛着、文化的象徴を捨て去ったことは、エリートによる侮辱と解釈されかねない。

 上院にトップ当選させた庶民にとって、高慢で、共感を拒絶した遠い存在に見えるはずである。(14日・マニラタイムズ、アントニオ・コントレーラス)

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