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4月5日のまにら新聞から

資源利用の制限が急務 水危機問題で立ち止まるな

[ 776字|2019.4.5|社会|新聞論調 ]

 最近の水危機はマニラ首都圏に限られたものだったが、今後数カ月で状況がさらに悪化するかもしれないというメッセージを示した。エルニーニョや気候変動の影響で今年は高温の年になる可能性があり国民全員がこの問題に対して共同体的に責任を持って取り組まなければならない。

 世界経済フォーラムのグローバル・リスク・レポートでも過去3年間、環境リスクが主要な部分を占めた。生計に大きな影響を与えると認識されているリスクのほとんどはお互いに関連しており、わが国にも同じ状況が起きている。気候変動を緩和する対策を怠ってきた結果、洪水や台風、地震や津波など自然災害だけでなく、生態系の破壊や水危機などのような人工的な環境破壊や災害にもつながっている。

 比の環境問題に対する働きかけを評価する向きもある。2018年環境パフォーマンス指標によると、生態系の健全度に関してアジアの中で比は26カ国中8位、世界180カ国中82位という成績だった。しかし、香港上海銀行の18年度環境脆弱度ランキングでは比はインドとパキスタンに次いで世界で3番目に脆弱だ。さらに、国際赤十字社による自然災害頻度ランキングでも比は世界で4番目に災害頻度が高い。

 国連は世界の資源利用の見直しを求めている。1970年以降、世界の資源利用が3倍以上に拡大したためだ。石炭燃料利用は45%増加、非金属鉱物の利用も5倍に拡大。資源の利用拡大に伴い、生物多様性も90%以上が失われた。2015年からの45年間で資源利用はさらに倍増し、温室効果ガス排出量も43%増加するという。

 気候変動を軽減するための食糧生産システムも変更すべきだ。エネルギーを使わない農業への転換を進め、有機的で再生産可能な農業システムに移行するためにも政府による支援が極めて重要になる。(3日・ブレティン、ロサリオ・ブライド)

社会

接種めぐり政府の説明迷走 価格や交渉主体が不透明

[ 1204字|2021.1.18 ] 無料記事

【上院公聴会でワクチン接種めぐる価格、時期、交渉主体などの政府説明が迷走】 上院で先週2日間にわたり政府のコロナワクチン接種プログラムに関する公聴会が開かれた。出席した政府のワクチン政策責任者、ガルベス大統領補佐官が質問に十分答えられず、回答が何度も迷走。予想外の展開となり、ラクソン上院議員がさらなる公聴会の実施を求めるなど、ワクチン接種に関する論戦が長期化しそうだ。17日付英字紙スターが報じた。 ▽政府間交渉なし?  ラクソン議員は16日までに「政府は回答を避けている。さらに公聴会を継続するよう求めることも可能だ」と述べている。同議員によると、ドリロン上院議員が「中国製ワクチン確保で比政府は誰と交渉しているのか」と質問した際、ガルベス大統領顧問は「香港にいるヘレン・ヤン・シノバック社社長と直接、話をしている」と答え、比中の政府間交渉ではなく、民間製薬企業と直接交渉していることを明らかにした。これは公聴会に出席したドゥケ保健相も認め、政府間で交渉を進めていると理解していた上院議員の間に困惑が広がった。  また、世界保健機関(WHO)が主導するワクチンの公平供給に向けた共同購入に関する国際枠組み「COVAX(コバックス)」について、政府側は公聴会で最初、「かなり割引された価格になる」としたが、後に「無料になる」と答えるなど食い違いがみられた。民間企業や自治体が主導するアストラゼネカ製ワクチンの購入に向けた一括契約についても、民間企業は「接種1回5ドル」としているが、ガルベス補佐官は「守秘義務契約のため答えられない」と回答を拒否、上院議員らの不評を買った。 ▽購入予算に疑念も  さらにワクチン入手時期について尋ねたアイミー・マルコス議員の質問に対し、ロケ大統領報道官がシノバック製のワクチンが2月20日までに確保できると表明しているにもかかわらず、ガルベス補佐官は「(契約はまだ結ばれておらず)今から撤回することもできる」と答えたためマルコス議員は「私は本当に混乱している」とコメントしたという。  比側でワクチンを調達する主体についても、政府側は「地方自治体や民間企業が直接調達する」と答えたが、後に輸入・流通ルートについて確認すると、ワクチンが関税庁を通関した後に保健省がワクチンを一括で取り扱うことになっており、地方自治体や民間企業による流通への介入は認められていないとした。  ラクソン議員によると、比はコバックスの枠組みで4400万回分のワクチンが無料で確保できる見通しのほか、地方自治体が1400万回分、民間企業が850万回分のワクチンをそれぞれ調達する契約をすでに結んでいる。  政府は集団免疫を獲得するために国民の7割ほどへのワクチン接種を目指しているとされるが、ラクソン上院議員は「なぜ政府は残りの必要分のワクチンのために莫大な予算を計上しているのか。なぜワクチン価格を表明しないのか」との疑念も述べている。(澤田公伸)