Logo

14 日 マニラ

32°C26°C
両替レート
¥10,000=P3,865
$100=P5,575

14 日 マニラ

32°C26°C
両替レート
¥10,000=P3,865
$100=P5,575

戦争する覚悟はあるのか 対中政策「変節」

2024/3/17 社会

 2011年、オバマ元米国大統領は「アジアへの転換」として、海軍力の6割をアジア、中国周辺に移した。そして2023年2月、フィリピンでは極めてソフトな「アウトゴルペ」(自主クーデター)が起こった。

 2016年、ボンボン・マルコス氏は「比米協力強化協定(EDCA)は上院の承認を経るべきだった」と発言。2022年1月、大統領候補だったマルコス氏は「南シナ海仲裁裁判に参加したのはフィリピン1カ国なのだから、仲裁裁判はもはや仲裁ではない。したがってわれわれに活用できるものではない」と発言した。

 にもかかわらず、2023年初の中国訪問時に温かく迎えられた後の2月から、外交姿勢を豹変させた。EDCAの米軍利用施設増設を承認し、中国が実効支配する南シナ海の海域に「犬」を放った。米国はそれを手を叩いて喜んだ。2023年2月以降の大統領の変節は、米国との取引に乗ったものであり、大多数の国民の支持を受け当選した2022年の自分に対する極めてソフトな自主クーデターだ。

 いま、大統領は「中国の脅威」レトリックを触れ回り、西側諸国との関係強化を求めて世界中を飛び回っている。2023年1月にダボス会議で大統領は「比が軍備を増強する意味はない」と発言していたが、いま、大統領を最高指揮官とする国軍は、国民が貧困にあえぐなか潜水艦を求めて1兆ペソを要求している。また大統領は豪州で「比は第二次大戦時のように最前線にいる」と述べ、ドイツでは「海洋防衛同盟」の構築を訴えた。

 習近平国家主席は直近の全国人民代表大会で中国軍に対し「海洋軍事闘争に備えよ」と指令を出した。中国は米国に対抗する準備ができている。さてマルコス大統領は、ウクライナ戦争のような状況に入る覚悟はできているのだろうか。(16日・スタンダード、コラムニスト・ロッド・カプナン)

おすすめ記事

暫定釈放を申立て 前大統領弁護団がICCに

2025/6/14 社会 有料
有料

対策強化で合同行政命令 OFW小荷物未配達問題

2025/6/14 社会 有料
有料

連載・行雲流水 第133回 「覚悟」とは

2025/6/14 社会 有料
有料

大阪万博で独立記念週間祝う レイ・ガーデンで文化祭典

2025/6/13 社会 有料
有料

「比海軍に新たな章」 最初の遠洋哨戒艦進水式

2025/6/13 社会 有料
有料

協力強化方針を確認 米比の経済、軍事連携

2025/6/13 社会 有料
有料