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憲法の精神と現実

2012/10/29 社会

政治的世襲問題

 約7カ月後に迫った次期統一選の候補者リストを見ると、この国の議員職、首長職が、一握りの一族に占有されていることがよく分かる。これら候補者は自分たちの存在自体が、政治的世襲を禁じた憲法に抵触することを分かっていながら「世襲は悪くない。要件を満たせば、立候補の権利がある」と開き直っている。

 コラソン・アキノ政権下の1987年に制定された現憲法は、独裁政権を二度と生まないため、有力者による「政治的寡占」を防止し、国民参加の民主主義実現を目指した。その精神は、「国は公職に就く機会均等を保証し、別に定める法律で政治的世襲を禁じる」という条文と、大統領再選、上院議員3選、下院議員らの4選をそれぞれ禁止することで具現化された。

 憲法規定にもかかわらず、政治的世襲が続くのはなぜか。理由の一つは、政党の在り方にある。本来、政党は綱領や公約を有権者に示し、その審判を仰ぐ役割を担うわけだが、現実は有力政治家や著名人の、理念なき集合体にすぎない。この結果、所属政党よりも候補者個人の「名前」が集票に威力を発揮し、無名で資金力に乏しい有能な候補者が落選の憂き目を見るのだ。さらに、多選制限も、4選出馬できない自治体首長が、妻や子供を代理候補に立てるなど、一族間のポストたらい回しによって有名無実化している。

 世襲継続の理由は「別に定める法律で政治的世襲を禁じる」という憲法条文にもある。「政治的世襲」の定義や禁止対象の範囲などは、国会の立法に委ねられているわけだが、法案は提出と廃案を繰り返すばかり。なぜなら、立法の責務を負った上・下院議員らが政治的世襲という憲法違反を続けているためだ。(22日・スタンダードトゥデー、リタリンダ・ヒメノ氏)

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