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ハロハロ

2005/6/27 社会

 屋根を打つ雨音で目を覚まされる雨期になると、毎年、決まって思い描く情景がある。前大戦末期の一九四五年の今ごろ、米軍に追われ、激しい雨が降り続くルソン島北部の山岳地帯をあてどなくさまよい歩くマニラ在住邦人の姿だ。

 前年の四四年、マニラ地域で日系企業の駐在員ら四十五歳以下の男性二千人が徴兵や臨時召集で入隊。北ルソンの山中を放浪したのは夫や父親を軍隊にとられた母子や高齢者二千人。生後十カ月の長女を連れた新婚三年目の新美彰さん=当時(26)=もその一人。当時の日々を『フィリピン戦逃避行』(岩波書店)で語っている。

 オシメを洗いに川辺に出たすきに米、黒砂糖など掛け替えのない食糧を兵士に盗まれる。米を搗 (つ)く兵士の横で、地面に落ちた米ヌカを拾ってスープをつくると、塩気もないのに、娘はおいしそうに飲んだ。カエルやアブラムシは弱った体には動きが速すぎるので、カタツムリを取って食べる。雨の中を濡れた毛布と娘を抱えてジグザグの坂道を上る。最期に泡を吹いて餓死した娘を「今度は平和なときに生まれておいで」と墓を掘って埋める……。六十年前、マニラ在住邦人が体験した出来事である。 (濱)

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